石川県金沢市といえば、兼六園やひがし茶屋街などの有名スポットに目がいきがちです。しかし、実は長町武家屋敷にも見どころがたくさんあります。
長町武家屋敷とは、江戸時代の武士や平士たちが暮らしていたエリアです。今回は、金沢の隠れた観光スポット・長町武家屋敷をご紹介します。
目次
長町武家屋敷とは?
「長町武家屋敷(ながまちぶけやしき)」は、金沢駅から徒歩約20分のところにある武家屋敷界隈です。加賀藩の藩主の家々が軒を連ねるこの界隈は、今でも当時の趣が残っています。
そんな長町武家屋敷には、人々を支える2つの用水路があります。
一つ目の用水路は、大野庄用水です。
大野庄用水は金沢を流れる犀川(おとこがわ)から水を引いており、武家屋敷に沿って流れています。このように当時の人々は、武家屋敷に沿って水路をつくることで屋敷に水が流れるように工夫していたのです。
また、大野庄用水の水は清水としても知られており、大野庄用水には現在もアユ・ウグイ・ウナギなどが生息しています。
二つ目の用水路は、鞍月用水です。
鞍月用水は平安時代につくられたと言われており、金沢の郊外で大野庄用水と合流するようなつくりになっています。こちらも大野庄用水と同じく犀川から水を引いています。
こうした用水は飲用や農業だけではなく火除・消火・染料洗いなどの用途に使われ、人々の生活を長く支えてきました。
長町武家屋敷を歩く
ここでは、長町武家屋敷の見どころを3つご紹介します。
武家屋敷
長町武家屋敷界隈には、身分や禄高によって敷地面積や規模の異なる屋敷が建ち並んでいました。禄高100石につき160〜170坪と決まっており、平士クラスでも約236坪はあったと言われています。
大屋家は、当時空き家だった建物を屋敷として拝領された屋敷です。平士クラスの家として土塀や庭を備えたこの大屋家は、歴史的価値の高い家だと言われています。
また、野村家は長町武家屋敷界隈の中で唯一、一般公開されている屋敷です。総檜造り(そうひのきづくり)の各天井の間・ギヤマンが入った障子戸・山水襖絵(さんすいふすまえ)など、内部は豪華に装飾されています。敷地内には庭も完備されており、樹齢400年以上の椎木や山桃の木が生育しています。
武家屋敷跡野村家 詳細情報
入館料
大人550円、高校生400円、小中学生250円
休館日
12月26・27日、1月1日・2日
開館時間
8時30分から17時30分まで(4月から9月まで)
8時30分から16時30分まで(10月から3月まで)
※入館は閉館の30分前まで
住所
石川県金沢市長町1丁目3番32号
電話
076-221-3553
アクセス
・バス
城下まち金沢周遊バス・北陸鉄道路線バス・西日本JRバス「香林坊」バス停から徒歩約5分
まちバス「香林坊大和・アトリオ」「香林坊東急スクエア・日銀前」バス停から徒歩約5分
金沢ふらっとバス長町ルート「長町武家屋敷跡」バス停から徒歩約1分
・車
金沢駅から約15分
金沢西ICから約15分、金沢東IC・金沢森本ICから約20分
駐車場
有
公式ホームページ
http://www.nomurake.com/
※情報は2023年7月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。
2つの長屋門
長町武家屋敷には2つの長屋門があります。
一つは「坂口邸長屋門」といいます。
坂口邸長屋門は、召使いの住居と門が一緒になったものです。門の中央に両開きの扉があり、くぐりのある扉のそばには来客などを確認するための覗き窓が設置されています。
もう一つは、金沢を代表する長屋門である「新家邸長屋門」です。
この門の特徴は、門の脇に大きな武者窓が取り付けられていること。門の土台は亀甲積みで少し反り返っており、その上に下見板部と白漆喰(しろしっくい)の小壁が建っています。
金沢九谷ミュウジアム
「金沢九谷ミュウジアム」では、鏑木や九谷焼を販売、展示しています。館内は昔ながらの屋敷を利用しており、ゆったりとした雰囲気の中で商品や鏑木コレクションを鑑賞できますよ。
鏑木コレクションには、鏑木商舗当主(初代~八代)が集めた品々や歴譜があります。約1100年もの間絶えていた九谷焼の再興に尽力した歴代の当主たちの努力や、明治時代の九谷焼の博覧会への出店などについても知ることができますよ。
ショップでは、九谷焼を販売しています。
美術品としての焼き物のほか、普段使いできるような九谷焼までさまざまな焼き物が取り揃えられています。見て回るだけでも楽しいので、ぜひ訪れてみてくださいね。
<金沢九谷ミュウジアムの基本情報>
・営業時間 :9時から22時まで
・定休日 :不定休
・住所 :石川県金沢市長町1-3−16
・公式サイト:https://kaburaki.jp/museum
店内に併設されたカフェ「おいしいいっぷく鏑木」では、地元石川県の旬の食材を使用した手料理やカフェメニューを堪能できます。もちろん料理を盛る器は、九谷焼です。
カフェメニューは、コーヒー・甘酒・生麩ぜんざい・お抹茶(お菓子付き)などがあります。
ランチメニューでは土日限定のいっぷく弁当一汁六菜のほか、加賀野菜カレーや、じゃこ飯どんぶりなどもありますよ。
<おいしいいっぷく鏑木の基本情報>
・営業時間 :10時から22時まで
・定休日 :不定休
・住所 :石川県金沢市長町1-3−16
・公式サイト:https://kaburaki.jp/shops/ippuku
長町武家屋敷 詳細情報
料金
長町武家屋敷界隈自体は無料
休業日
見学自由(屋敷により異なります)
開館時間
見学自由(屋敷により異なります)
住所
石川県金沢市長町
電話
076-232-5555 (金沢市観光協会)
アクセス
・バス
城下まち金沢周遊バス・北陸鉄道路線バス・西日本JRバス「香林坊」バス停から徒歩約5分
まちバス「香林坊大和・アトリオ」「香林坊東急スクエア・日銀前」バス停から徒歩約5分
金沢ふらっとバス長町ルート「長町武家屋敷跡」バス停からすぐ
・車
金沢駅から約10分
金沢西ICから約15分、金沢東IC・金沢森本ICから約20分
駐車場
無
公式ホームページ
https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10195.html
※情報は2023年7月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。
まとめ
金沢観光というと、どうしても金沢城やひがし茶屋街を思い浮かべてしまいがち。しかし、実は長町武家屋敷も、昔ながらの風情ある雰囲気を楽しめる観光スポットなんです。
「観光したいけど人混みは少し苦手」という方にもぴったり!金沢の隠れた観光スポットである長町武家屋敷に、ぜひ足を運んでみてくださいね。