四季折々の顔を楽しめる庭園!日本三名園「兼六園」の楽しみ方に密着!

石川 #兼六園 #日本三名園
2022.04.21

石川県金沢市にある「兼六園」は、金沢を代表する観光スポットです。園内には琴柱灯籠(ことじとうろう)や根上松(ねあがりまつ)などの見どころがたくさんあります。また、偕楽園(茨城県)、後楽園(岡山県)と共に日本三名園にもなっています。本記事では、そんな兼六園の楽しみ方をご紹介します。

兼六園とは

日本三名園の1つである兼六園は、江戸時代に加賀歴代藩主により造園されました。金沢市の中心にあるこの庭園は、現在日本だけではなく世界各国からも観光客が訪れる観光スポットです。

兼六園は回遊式という土地の広さを活かしております。園内には池や茶屋、築山(つきやま)が点在しており、それらに立ち寄りながら楽しめる庭園になっています。

また、兼六園は長い歳月をかけて作り上げられましたが、造園における根本的な部分の思想は統一されていました。それは神仙思想というものです。池を大海に見立て、その池の中に神仙人の住む島を作ることで、歴代藩主らは長寿と永劫の繁栄を願いました。

六勝について

兼六園には「六勝(ろくしょう)」と呼ばれる6つの景観があります。兼六園における六勝は、以下の通りです。

  • 宏大(こうだい)
  • 幽邃(ゆうすい)
  • 人力(じんりょく)
  • 蒼古(そうこ)
  • 水泉(すいせん)
  • 眺望(ちょうぼう)

六勝の由来は、中国の宋時代の書物「洛陽名園記」から来ています。書物の中では、「庭園では6つの景観が共存することはできない」と述べています。

その理由は、宏大を表そうとすると幽邃が消え、水泉を多くすると眺望が損なわれ、人力のあるところには蒼古が欠乏しがちになるからです。

そのため、洛陽名園記では6つの景観すべてが揃っている庭園は「湖園(こえん)」だけだと結論付けています。兼六園はそんな湖園に似ているため、「六勝」という名がつけられました。ここからは、六勝についてさらに詳しくご説明します。

宏大・幽邃

「宏大」と「幽邃」は相反する言葉です。宏大とは広々とした様子を意味し、幽邃は奥深さと静寂を兼ね備えた意味します。

しかし、当時の人々は「兼六園は広くて明るい庭でありながらも、山中にいるかのような雰囲気も味わえる」ことから、「宏大」と「幽邃」が共存していることを実感していました。

人力・蒼古

「人力」と「蒼古」も互いに相反する言葉です。蒼古とは、昔ながらの趣を意味します。そして、その趣は人の手が加わると損なわれてしまいます。しかし、兼六園は人力が加わっているにも関わらず、古びた自然の趣を感じることができるのです。

水泉・眺望

「水泉」と「眺望」も矛盾する言葉同士です。水泉とは、低地にある池や滝を指します。そのため、水泉を鑑賞しながら遠望は楽しめません。しかし、兼六園では園内の様々な水泉を楽しみながら、能登半島や卯辰山などを眺めることができます。

このように、2つの要素の共存こそが兼六園最大の特徴です。

兼六園の歴史

1676年に築庭が始まった兼六園は、およそ200年後の1863年にほぼ現在の姿となりました。1874年になると、それまで加賀藩主の庭として利用されていた兼六園は市民に解放されます。

その後、1922年に国の名勝に指定されますが、1985年には特別名勝へと格上げされます。平成の時代になると「時雨亭(しぐれてい)」と「舟之御亭(ふなのおちん)」が再現され、当時の趣がより感じられる庭園となりました。

兼六園の歩き方

ここでは兼六園観光の際に、ぜひとも訪れたい園内の見どころを4つご紹介します。

琴柱灯籠(ことじとうろう)

琴柱灯籠は、兼六園のシンボルとして有名です。琴柱に似ていることから、その名が付けられました。秋には園内の紅葉と一体となり、美しい風景画としてカメラに残ります。

霞ヶ池

霞ヶ池は園内で最も大きな池です。周囲には虹橋などの名勝があり、四季折々の自然を楽しめるように設計されています。池のほとりに佇む内橋亭は、どの角度から見ても美しい画です。

根上松

根上松は、琴柱灯籠に並ぶ兼六園の有名スポットです。地上約2mにまでせり上がった根は、滅多に見れません。兼六園に来たら、この黒松を目に焼き付けてください!

夕顔亭

夕顔亭は、1774年に建てられた兼六園最古の建造物です。夕顔(瓢箪)の透かし彫りがあることが、名前の由来となっています。園内には夕顔亭以外にも夕顔をモチーフにしているものが点在しているので、夕顔を探しながら園内を散策するのもおすすめです。

兼六園めぐりガイドツアー

兼六園では、ガイドツアーも用意されています。ガイドツアーに申し込めば、兼六園の歴史になどについて知ることができます。解説も季節に応じて異なるので、兼六園を初めて訪れる人も、何度も訪れている人でも楽しめるツアーです。※詳細は下記ページをご参照ください。

ガイドと楽しむ兼六園

兼六園 詳細情報

詳細情報

料金
大人(18歳以上):320円、団体30名以上の場合は250円
小人(6歳~18歳未満):100円、団体30名以上の場合は80円
※6歳未満、65歳以上、障がい者手帳を持つ人ならびに同行者は無料
※石川県民は毎週土曜日と日曜日、入園料が無料
※早朝入園に限り無料 ※通常開園の15分前までに退園しなければならない

休園日
無 ※園内にある時雨亭は12月29日~1月3日

開園時間
3月1日〜10月15日:7:00-18:00
10月16日〜2月末日:8:00-17:00
※園内にある時雨亭は9:00-16:30

開園時間(早朝無料の場合)
3月1日~3月31日:5:00~通常開園の15分前まで
4月1日~8月31日:4:00~通常開園の15分前まで
9月1日~10月31日:5:00~通常開園の15分前まで
11月1日~2月末日:6:00~通常開園の15分前まで

住所
〒920-0936 石川県金沢市兼六町1

電話
076-234-3800

アクセス
・電車&バス
城下まち金沢周遊バス・北陸鉄道路線バス・西日本JRバスのいずれかに乗車し「兼六園下・金沢城」で下車、そこから徒歩約5分
金沢ふらっとバス材木ルートに乗車し「兼六園下」で下車、そこから徒歩約3分
・車
北陸自動車道「金沢西IC」から約30分
北陸自動車道「金沢東IC」から約30分
北陸自動車道「金沢森本IC」から約20分

駐車場

公式ホームページ

http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/index.html

※情報は2022年4月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

まとめ

本記事では、日本三名園の1つにも数えられている兼六園をご紹介しました。広々とした庭園内は琴柱灯籠や夕顔亭など見どころが満載です。

また、季節によって庭園の表情が異なるので、何度訪れても飽きることはありません。金沢市に行かれる機会のある方は、兼六園に立ち寄ってみてください。