高知県で毎年夏に行われる「よさこい祭り」。戦後で落ち込む人々を盛り上げようと1954年に誕生したよさこい祭りは、今や全国各地で開催されるほどの大規模なお祭りへと変化を遂げました。
今回は高知市内で巡ることのできる「よさこいゆかり」のスポットをご紹介します。ぜひこの機会に、皆さんもよさこいの熱気に触れてみてくださいね。
目次
よさこい祭りとは?
ゆかりのスポットをご紹介する前に、まずは高知で生まれた「よさこい祭り」についてご紹介します!
第二次世界大戦中、高知市内は米軍からの空襲に遭ったことで一帯は焦土と化しました。戦後の復興を進めるなか、戦争をきっかけに落ち込んでしまった県内の景気や人々を元気づけたいという想いで1954年に始められたのが、この「よさこい祭り」です。
祭りで使用される楽曲「よさこい鳴子踊り」は古くから伝わる高知の民謡をベースにし、人々が躍りやすいテンポにアレンジを加えられています。
そんなよさこいの踊りの特徴は、なんと言っても両手に持って踊る「鳴子」です。華やかな衣装に身を包んだ演者さんが鳴子を打ち鳴らしながら踊る姿はとてもエネルギッシュで、見ているこちらも元気になれる魅力があります。
高知市内で探す「よさこい祭り」ゆかりのスポット
高知の夏の風物詩である「よさこい祭り」。以下では、よさこいと関わりの深いスポットをご紹介します。
まずはここから!「よさこい情報交流館」
「よさこいについて知りたい!」という方にまずおすすめしたいのは、「よさこい情報交流館」。
よさこい情報交流館は、2013年にオープンしたよさこいの最新情報を伝える資料館です。高知市の繁華街に位置する「はりまや橋商店街」の突き当たりに建てられたスポットとなっています。
館内は1階と2階に分かれ、1階では戦後の復興とともに誕生したよさこいの歴史やお祭りの様子を、豊富な資料を交えて展示しています。
展示物のなかには大会受賞者がもらえるメダルや、日本を代表してチームが海外でよさこいを披露した際に利用した鳴子など、ここでしかお目にかかれないレアなアイテムも鑑賞できます。
2階ではお祭り(大会)で受賞したチームの衣装が展示されていました。どれもカラフルで個性的ですね!
伝統的な柄にこだわったものから華やかさに拘ったものまで、色々な種類があります。全身を使った躍動感あふれる振付が特徴のよさこいは、どれも演者さんが踊りやすいように工夫が施されています。
2階では好きな色を組み合わせて、オリジナルの鳴子を作れる体験コーナーも用意されています!鳴子というと赤・黒・黄の組み合わせが一般的ですが、特にルールが定められているわけではありません。
無地のものからキラキラのラメが付いたものまで、種類は様々。お時間に余裕のある方は、旅のお土産にぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
「よさこい情報交流館」は入館料が無料で、休館日の水曜日と年末年始を除き毎日営業しているため、ふらっと見学して回れる気軽さが魅力のスポットとなっています。
よさこい情報交流館 詳細情報
入館料
無料
休館日
毎週水曜日、12月29日~1月1日
開館時間
10:00~18:30(最終入館 18:00)
住所
高知市はりまや町1丁目10-1
(はりまや橋から徒歩3分、はりまや橋商店街東口)
電話
088-880-4351
アクセス
・電車&バス
電車の方は、JR高知駅から徒歩で15分
バスの方は、はりまや橋バスターミナルから徒歩1分
・車
高知ICから車で10分
駐車場
周辺有料駐車場をご利用ください。
公式ホームページ
https://www.honke-yosakoi.jp/
※情報は2023年5月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。
「はりまや橋商店街」と「帯屋町壱番街商店街」
はりまや橋のあるエリアを拠点に、東西に伸びる「はりまや橋商店街」と「帯屋町壱番街商店街」。どちらもよさこい祭りの本番では、チームが演技を披露する競演場として使用されています。
「はりまや橋商店街」は、特徴的な木組みの建築が印象的なスポット。
こちらの競演場(はりまや橋競演場)の受賞メダルは商店街のつくりにちなみ、木製のものがプレゼントされるのだとか。
続いて「帯屋町壱番街商店街」は、500メートル以上の長さを持つ巨大な商店街です。
何人もの人々が横一列に並べそうな広い道幅は、まるでよさこいのために作られたと言っても過言ではありません。通りには古くからお店を構える個人商店から話題の新店などさまざまで、歩くだけでもとても楽しい気持ちになれるエリアとなっています!
ほにや本店
「帯屋町壱番街商店街」の一角に位置する「ほにや本店」は、よさこいのグッズを販売するセレクトショップです。「ほにや」は土佐弁で「ほんとにそうだね」と相槌を打つときの意を指します。
よさこい鳴子踊りの歌詞にも登場するフレーズを店名に使用したこちらのお店は、実は大会でも入賞常連のよさこいチームを擁するお店なんです!
そんな「ほにや」の1階では高知のお土産を販売、2階はブティックとして日本的なモチーフを使用した洋服や雑貨を販売しています。大会で実際に使用されるよさこいの衣装も展示していますので、ぜひお土産を探しがてらお店を覗いてみてくださいね。
ほにや本店 詳細情報
料金
無料
休業日
火・水曜日
営業時間
11:00〜18:00 ※土曜日のみ11:00〜19:00
住所
高知県高知市帯屋町2-2-4
電話
088-872-0028
アクセス
・電車
堀詰駅出口から徒歩約3分
駐車場
周辺有料駐車場をご利用ください。
公式ホームページ
https://honiya.co.jp/#HOME
※情報は2023年5月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。
よさこい節の舞台となった「はりまや橋」
「はりまや橋」もまた高知市内を代表する観光スポットです。川に架かる一般的な橋とは異なり、町なかに作られたごくごく小さな橋ですが、よさこいを語る上で欠かせない逸話を持ったスポットとなっています。
はりまや橋は、よさこい祭りで使用される「よさこい節」の歌詞に登場します。よさこい節とは、一人のお坊さんと女性の悲恋を歌ったものです。
遡ること江戸時代、高知市内にあるお寺「竹林寺」に属していた僧侶が一人の若い女性と恋に落ちます。しかし、当時は聖職者であるお坊さんが一人の女性と婚姻関係を結ぶことは、タブーとされていました。
よさこい節に登場する歌詞「土佐の高知のはりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た」は、「お坊さんが女性にかんざしを買っているのを見たよ」と、はやし立てているものになります。
残念ながら当時の二人の恋は実らず悲恋として終わりますが、はりまや橋を舞台にした二人のエピソードは民謡となり、現在も歌い継がれることとなるのでした。
はりまや橋から道路を挟んだ向かいにあるビルの壁面には、同じく観光スポットとして有名なからくり時計が設置されています。
こちらは一時間に一度楽しむことができるもので、時間になるとよさこい節のメロディと共に高知の名所(はりまや橋と高知城、桂浜)が現れる仕組みとなっています。
高知でしか見られないからくり時計として、こちらもぜひ鑑賞していただきたいスポットと言えるでしょう。はりまや橋とあわせてぜひチェックしてみてくださいね。
やっぱり生で見てみたい!4年ぶりのフル開催「よさこい祭り」に行ってみよう
新型コロナ以降2020、2021年と中止になり、昨年2022年は「特別演舞」として2日間のみ開催されたよさこい祭り。
ついに、70年目となったお祭りは、4年ぶりに通常開催されます。「よさこい祭りを生で見たい!」と思った方は、ぜひ今年のよさこい祭りに参加してみましょう!
お祭りは8月9日の前夜祭を皮切りに、10日と11日に本番が行われます。12日の後夜祭は本番で選ばれた受賞チームが町を練り歩き、市内は大盛り上がり。
各チームにおける踊りの審査は、前述した商店街を含む市内の各地で行われています。
はりまや橋近くにある中央公園では特設のステージが建てられ、こちらでは踊りのコンテストではなく一般客へ向けた演舞の披露が行われます。
一年で最も熱い四日間!そんな高知のよさこい祭りの熱気を、一度は現地で感じてみたいですね。
まとめ
今回は高知市内で楽しめる、よさこいにゆかりのあるスポットをご紹介しました。全国的にも高い知名度を誇るお祭り「よさこい祭り」。
ファンの方はもちろん、これまでよさこいに触れる機会が少なかった方も、今回ご紹介したスポットを通してよさこいの魅力を感じていただければ幸いです。高知を旅する際は、皆さんもぜひ足を運んでみてくださいね!