軽井沢へは何回か出かけていますが、草津温泉からの往き帰りに寄るというのが多くなっています。
そこで今回は碓氷峠越えで軽井沢へ行ってみようと思います。
昔の人は歩いて、年は信越本線で峠を越えていました。
最近は高速道路や新幹線ができ、いとも簡単に難所越えができます。
麓の群馬県横川駅から軽井沢までの急勾配空間は廃線となりましたが、線路跡は一部鉄道遺産として残っています。
さすがに歩いて行くのは大変なので、一般国道18号線を使って自家用車で軽井沢に向かいます。
そして、軽井沢で1泊し、町内をうろうろします。
目次
旧碓井峠を走破して軽井沢へ
まずは「峠の釜めし」で腹ごしらえ

群馬県の横川へ向かいます。
東京方面からだと横川へは上信越自動車道松井田妙義ICが便利なのですが、今日は上越自動車道前橋ICでおりて、国道18号線でのんびりとドライブします。
途中旧中山道の安中宿や松井田宿など、古い町並みの名残を見ながらのどかな国道を走ります。
横川へ着いたのがお昼頃、ランチは名物荻野屋の「峠の釜めし」です。
もともとは横川駅の駅弁として大人気になっていましたが、今では高速の横川SAや軽井沢などにも売店があります。
それでも横川駅前の荻野屋本店は特別です。それは、できたての温かい釜飯が食べられるからです。
冷たくなってもおいしい「峠の釜めし」ですが、できたてはまた格別。
昔横川駅で買った温かい釜飯を思い出しました。
益子焼きの器は持って帰るのですが、これって後で使ったことがないですよね。回収箱も用意されていました。
住所
群馬県安中市松井田町横川399
営業時間
平日 10:00~16:00 (L.O 15:30)
定休日
火曜日
メニュー
峠の釜めし 1200円ほか
URL
https://www.oginoya.co.jp/
※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。
講習を受ければ電気機関車の運転手

横川に来たので「碓井峠鉄道文化むら」に寄りました。
今は廃線になってしまいましたが、横川(標高387m)・軽井沢(標高939m)間は、標高差約550mの碓氷峠を上るため、アプト式という特殊な方法を採用していました。
アプト式とは簡単に言うと、レールの間に歯車の受けのような凹凸があるレールを敷き、機関車に付いている歯車とのかみ合わせで急な坂を上っていくものです。
東京方面から走ってきた列車に、この区間だけのアプト式機関車を連結します。横川ではその連結作業が行われていました。
1997年の長野新幹線開通により、アプト式の鉄道は必要なくなってしまい、横川・軽井沢区間が廃止になりました。
その貴重な痕跡を後世に残そうと、路線の一部や橋などが鉄道遺産として保存・公開されています。
また、アプト式で使われていた機関車などは「碓井峠鉄道文化むら」に保存されています。
「碓井峠鉄道文化むら」では機関車のほか、当時のEF63形という本物の電気機関車を運転体験ができます。
1日講習を受けてから修了試験に合格しなくては運転ができないので、今回は断念しました。
碓井峠は廃線になってしまいましたが、アプト式は静岡県の大井川鐵道で現役です。
住所
群馬県安中市松井田町横川407-16
開園時間
3/1~10/31 9:00~17:00(入園は16:30まで)
11/1~2/末日 9:00~16:30(入園は16:00まで)
休園日
毎週火曜日(8月を除く)・12/29~1/4
(火曜日が祝日の場合は翌日休園)
入園料
小学生未満 無料(保護者同伴)
小学生 300円
中学生以上 500円
※体験施設利用料、運転体験は別途料金がかかります
URL
https://www.usuitouge.com/bunkamura/
※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。
レンガ造りの通称“めがね橋”は重要文化財

横川の先に旧中山道の坂本宿があります。江戸時代の人はここで英気を養って碓氷峠越えに挑戦していました。
いよいよ碓氷峠の上りに入ります。
アプト式鉄道跡の群馬県側はハイキングコースとして整備されていて、線路跡をたどりながら途中レンガ造りの「旧丸山変電所」や「第三橋梁(めがね橋)」などを見学できます。
「碓井鉄道文化むら」から途中の「峠の湯」まではトロッコ列車が走っています。
「めがね橋」は国道からも見えます。また駐車場もあり、橋の上を歩いて渡れます。
これら変電所やレンガ造りの橋、トンネルなどは国の重要文化財に指定されています。
軽井沢を通り過ぎて碓井峠の頂上へ

つづら折りの国道を上りきったところが軽井沢です。
ここから軽井沢を素通りして碓氷峠の頂上を目指します。
旧軽井沢銀座を抜け旧中山道に入ります。
軽井沢の標高は939m、碓氷峠は960mで、頂上まではそれほど大変な上りではありません。
距離は4kmほどで遊歩道になっているので散策する観光客も見られます。
頂上には見晴台があります。もとは武田信玄ののろし台があったといわれているように、目の前に浅間山、富士山、八ヶ岳など群馬県側の山々が見通せます。
ここが群馬県と長野県の県境です。
長野県・群馬県が半分半分の熊野神社

碓氷峠の頂上近くに熊野神社があります。
いたって普通の神社のようですが、県境が境内の真ん中を通る珍しい神社です。
2つの神社が同居する形になっており、参道、本殿は1か所なので、右側半分が群馬県の熊野神社で、左側半分が長野県の熊野皇大神社です。
お賽銭箱も2つ用意されています。
碓井峠でもう一つ有名なのが「力餅」です。峠越えの力を蓄えるために供された歴史ある名物です。峠にある数軒の茶屋で食べられます。
碓井峠に関係するところを巡ってきましたが、夕方になってしまいました。
2日目は軽井沢でのんびりドライブ
華やかな活気にあふれる夏の旧軽井沢商店街

軽井沢はもともと旧中山道の宿場町でした。旧軽井沢銀座は宿場町のあったところです。
しかし、明治以降宿場町は廃れてしまいました。
1886年(明治19年)に軽井沢を訪れたカナダ人の宣教師アレキサンダー・クロフト・ショーは、その気候風土が気に入り、居を構え知人の外国人たちを呼び寄せました。
これが宿場町から避暑地へ激変した瞬間です。
さらに1893年(明治26年)の東京方面からの鉄道が開通し、急速に避暑地としての人気が高まりました。
鉄道の開通により旧中山道沿いのエリアを旧軽井沢、軽井沢駅前のエリアを新軽井沢と呼ぶようになり、今でも旧軽井沢という呼び名が残っています。ただし、地名に旧軽井沢はありません。
旧軽井沢銀座は宿場町の名残はまったくありません。
はやりのお店が建ち並び、夏季シーズンには多くの観光客で賑わっています。
夏季だけ開店する店も多くなっています。
別荘地の森に歴史的建物が点在

旧軽井沢エリアは別荘地として格別の存在です。
森の中に高級な別荘が佇んでいます。歴史的な建物も多くあります。
代表的なものが明治時代に開業した万平ホテル(1894年[明治27年])、三笠ホテル(1906年[明治39年])です。
また建て替えられてはいますが、ショー記念礼拝堂や聖パウロ教会も長い歴のある教会です。
三笠ホテルのある三笠通りから白糸ハイランドウェイを走ると「白糸の滝」に出ます。
白糸の滝は富士山の西麓にもありますが、こちらの方が白糸のような滝が左右に大きく広がっていて美しいです。
道路からすぐ脇にあり、マイナスイオンをたっぷり浴びることができます。
散策するには絶好の「雲場池」

旧軽井沢銀座から西へ別荘地の中を少し走ると「雲場池」があります。
うっそうとした広葉樹に覆われた静かな池です。正面に浅間阿山が望め、20分ほどで一周できます。
オールシーズン散策を楽しめますが、特に若葉の季節や紅葉が素晴らしいです。
周りにはおしゃれなカフェやレストランもあり、是非立ち寄りたいスポットです。
今いちばんトレンディな「ハルニレテラス」

白糸の滝から国道146号線に出て、中軽井沢方面に下っていくと「ハルニレテラス」があります。
星野リゾートの本拠地「軽井沢星野エリア」の敷地内にあり、おしゃれなショップやレストランが並ぶ軽井沢の新しいスポットです。
観光客や別荘ライフを楽しむ人たちで賑わっています。
私たちも今日はここでランチタイムです。イタリアンにしましたが、中華、そば、ワインレストランなどどこもおいしそうです。
ランチのあとは温泉へ。「軽井沢星野エリア」には日帰り温泉施設「トンボの湯」があります。
1915年(大正4年)に開湯した星野温泉の流れをくむ温泉で、源泉掛け流しです。
時間があれば隣接する「軽井沢野鳥の森」の散策がおすすめです。軽井沢本来の自然とたくさんの野鳥に出会えます。
ガーデン散歩とミュージアムの「軽井沢タリアセン」

軽井沢には人造湖が多いのですが、塩沢湖もそのひとつで、湖を囲むようにレジャー施設「軽井沢タリアセン」があります。
ボートやファミリーゴルフ、テニス、アーチェリーなどのアクティビティやレストランなどのほか、著名人の別荘や美術館、イングリッシュローズガーデンなどが点在しています。
特に1911年築の旧軽井沢郵便局(国の登録有形文化財)を移築した「深沢紅子 野の花美術館」はおすすめです。
ほかに、堀辰雄、有島武郎、野上弥生子などの有名作家の旧別荘などもあります。
イングリッシュローズガーデンでは初夏から秋にかけて1800種2000本のバラが咲き誇ります。
住所
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217
開園時間
3月~11月 9:00~17:00
12月~1月 10:00~16:00
休園日
不定休(園内の施設によって異なるため、詳しくはHPをご確認ください。)
入園料
高校生以上800円、小中学生400円、乳幼児無料
※各施設は別途料金がかかる場合があります
URL
http://www.karuizawataliesin.com/
※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。
まとめ
日をかけて碓井峠から軽井沢を散策しましたが、アトウレットの草分け「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」や旧中山道の沓掛宿や追分宿などまだまだ訪れたいところはいっぱい。
さらに北へ足を伸ばせば浅間山麓の牧場や「鬼押出し園」のある北軽井沢エリアも近く、嬬恋のキャベツやレタスが一面に広がる風景も一見の価値があります。
帰りには新鮮な高原野菜を車いっぱいに買って帰るのが我が家の楽しみの一つです。