日本の町の魅力が詰まった小布施の旅

長野 #カフェ #グルメ #酒造
2022.07.10

長野県の小布施は善光寺や戸隠、湯田中温泉方面へ出かけるとき、必ずと言っていいほど立ち寄るお気に入りのスポットです。
もう何回行ったか忘れてしまうほど訪れています。第1の目的はランチ。

うまくスケジュールを合わせて「竹風堂」の栗おこわを食べにだけ立ち寄ったこともあります。
「小布施堂」や「桜井甘精堂」の栗の和菓子やケーキも捨てがたい魅力です。

小布施の魅力はそれだけではありません。
江戸時代に千曲川の船着き場を利用した、商業の中心地として栄えました。
ものすごい財をなした豪商が何軒もあったといいます。
その中でも最大の豪商、高井家(市村家)は、文化の発展にも尽くし、今の小布施の礎を築きました。市川家第12代の高井鴻山は葛飾北斎を招き、北斎はいくつもの大作を残しています。

それでは今でも江戸時代の風情を残したまち造りで多くの人々を魅了する町、小布施の見どころやグルメを紹介しましょう。

日本酒や栗で有名なグルメの町小布施

栗菓子と栗おこわの「竹風堂本店」

まずは「竹風堂」です。「栗おこわ 山家(やまが)定食」は定番のランチです。
栗おこわにニジマスの甘露煮、ムカゴのくるみ和えなどが付いた定食で、ニジマスの甘露煮のない「栗おこわ 山里(やまざと)定食」もあります。

昼どきは平日でも超満員、結構大きな駐車場に入るのも大変です。
また、入ってからも待合で長時間待たされることもありますが、それでも食べたいと思うほど大好きです。

レストランは2階ですが、1階は本業の栗菓子店舗。栗ようかんや栗最中、栗あん汁粉など多くの栗菓子が並びます。特に小布施名物として知られる「方寸」は赤エンドウ豆を使った落雁で、わが家のおみやげの定番です。

敷地内には古くからのさまざまな灯りや照明器具を展示している「日本のあかり博物館」があります。

竹風堂本店 基本情報

住所
長野県小布施町小布施973

営業時間
販売:8:00~18:00
飲食:10:00~18:00
※ラストオーダーは閉店30分前

栗あんソフトクリームの販売時間
10:00~17:00
※売場は本店の向かい側(自在屋の隣)

休業日
元日

URL
https://chikufudo.com/

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

小布施一の豪商だった「桝一市村酒造場」

市村家の家業のひとつです。
江戸時代中期創業で、画家、書家でもあった第12代当主市村三九郎(高井鴻山)が、晩年の葛飾北斎を小布施に招いたこともあります。
江戸時代には商社、薬問屋、味噌醤油蔵、菓子製造業などを営んでおり、小布施一の豪商でした。

小布施のメイン通りに面した日本酒の直売所は、昔ながらの雰囲気を残した建物で、売店のほか「手盃(てっぱ)」と呼ばれる量り売りのコーナーがあります。
買ったお酒はその場で飲めます。
「桝一市村酒造場」の日本酒はこの直売所かネット販売でしか手に入りません。
長野でいちばん小さな酒蔵と言われています。

桝一市村酒造場 基本情報

住所
長野県小布施町小布施807

営業時間
9:30~17:00

休業日
不定休

URL
https://www.masuichi.com/

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

絶品の栗菓子とカフェ&レストラン「小布施堂本店」

小布施のメイン通りに面した栗菓子の専門店です。
定番の栗ようかん、栗最中などのほかに、赤エンドウ豆を使った落雁や栗アイスクリームなど栗菓子を中心に洋菓子なども揃っています。
お酒のお菓子は系列の桝一市村酒造場の酒粕を使用した大人のお菓子です。

店内にはカフェと食事処があります。店頭で販売している菓子のほか、季節の食材を使用した和食コースが味わえます。

系列店としては近くの「北斎館」の前にカフェ「傘風楼(さんぷうろう)」や小布施堂の自宅を改装したモンブラン(モンブラン朱雀)専門のカフェ「えんとつ」、食事処「蔵部(くらぶ)」、宿泊施設「桝一客殿」などがあります。これも市村家の家業です。

小布施堂本店 基本情報

住所
長野県小布施町小布施808

営業時間
販売 9:00~18:00
喫茶 10:00~16:00
食事 11:00~15:00

休業日
不定休

URL
https://www.obusedo.com/

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

落ち着いた空間で食事を「小布施 寄り付き料理 蔵部」

いつも「竹風堂」ばかりでランチをしていたので、たまには違うところでと、今回訪れたときは「小布施 寄り付き料理 蔵部」へ行ってきました。

「小布施堂」の敷地内に建つ古民家で、酒蔵で働く蔵人たちが冬の期間寝泊まりをする“寄り付き場”だったところです。
料理は信州育ちのヤマメやイワナ、肉類、野菜などを使った定食が中心です。信州大王イワナを使った大きなかまどで炊く炊き込みご飯は名物料理になっています。

小布施 寄り付き料理 蔵部 基本情報

住所
長野県小布施町小布施807

営業時間
11:00〜22:00(L.O.20:00)

休業日
不定休(年末年始は営業)

URL
https://www.obusekurabu.com/

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

栗菓子の名門「桜井甘精堂」

創業から200年の歴史ある栗菓子専門店。
本店は新しい木造2階建ての建物ですが、昔ながらの商家のような造りで周りの雰囲気に溶け込んでいます。
店内には名産の栗を使った菓子が並んでいます。本店には休憩スペースが用意されており、一息つけます。

小布施には系列店として食事処「泉石亭」や「カフェ茶蔵」、「北斎亭」、「栗の木テラス」があります。
本店隣にあるケーキと紅茶の専門店「栗の木テラス」では評判の“モンブラン”が味わえます。

桜井甘精堂本店 基本情報

住所
長野県小布施町小布施774

営業時間
8:30~18:00

定休日
無休

URL
https://www.kanseido.co.jp/

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

栗の木テラス小布施店 基本情報

住所
長野県小布施町小布施784

営業時間
10:00~L.O.17:30

定休日
水曜日

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

芸術に触れる小布施の町並み散歩

見事な祭屋台の天井画「北斎館」

浮世絵師葛飾北斎(1760〜1849)が小布施を訪れたのは83歳になってから。
豪商高井鴻山と親密な関係を築き、当地で多くの作品を残しました。
その代表作は88歳で描いた岩松院の「鳳凰図」や祭屋台の天井画です。

「北斎館」には祭屋台の天井画、「男浪図」「女浪図」「龍図」「鳳凰図」が展示されています。北斎の絵はもちろん、屋台自体も素晴らしいもので、長野県宝に指定されています。

ほかにも北斎の肉筆画や画稿、書館などが展示されています。
版画で知られる北斎ですが、天井画などの大作や肉筆画にも素晴らしい才能を見ることができます。
小布施を訪れたなら必ず訪れたいスポットです。

信州小布施 北斎館 基本情報

住所
長野県小布施町小布施485

開館時間
9:00~17:00(1月1日は時間短縮開館 午前10時~午後3時まで)

休館日
12月31日

入館料
大人1000円、高校生500円、小学生300円
※特別展の時は料金が変わります

URL
https://hokusai-kan.com/

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

小布施の発展に忘れられない「高井鴻山記念館」

高井鴻山は「桝一市村酒造場」や「小布施堂」を経営する市村家第12代当主で、幕末から明治初期にかけて画家、書家としても活動しました。
市村家は豪商ですが、小布施を襲った飢餓の時にはその財を惜しみなく拠出して、危機を救ったといわれています。
その功績が認められてお殿様より高井という名字と帯刀を許されました。

鴻山は当時の北斎をはじめ佐久間象山、藤本鉄石など当時の著名な文人墨客(ぶんじんぼっかく)との交流も深く、この建物は多くの人々が集う文化サロン的なものでした。
この記念館は鴻山の書画作品や資料を展示しています。

高井鴻山記念館 基本情報

住所
長野県小布施町小布施805-1

開館時間
9:00~17:00

休館日
12月31日

URL
https://www.obusekanko.jp/spot/kouzan

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

迫力満点の「大鳳凰図」。北斎の大天井画が飾られている「岩松院」

“八方睨みの鳳凰”として知られる北斎作の天井画「大鳳凰図」がある、250年近く前に創建された曹洞宗の寺院です。
「大鳳凰図」は間口6.3m、奥行5.5mあり、北斎89歳の作品と言われています。その迫力と色彩の豊かさに圧倒されます。小布施に来たら必見です。

岩松院にはほかにも小林一茶が「やせ蛙 まけるな一茶 これにあり」と詠んだ「蛙合戦の池」や、戦国武将福島正則の霊廟などがあり、見所いっぱいです。
小布施の市街地からは少し離れたところにあります。

信州おぶせ梅洞山岩松院 基本情報

住所
長野県小布施町雁田

拝観時間
4月~10月 9:00~16:30
11月    9:00~16:00
12月~3月 9:30~15:30

拝観料
一般 500円
小・中学生 200円
未就学児 無料

休観日
不定休(法要など)

URL
https://www.gansho-in.or.jp/

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

素敵な散歩道「栗の小径」

北斎館のある広場からカフェや酒蔵などがある細い裏道が、「栗の小径」と名付けられた散歩道になっています。
栗の間伐材が敷き詰められ、ところどころに栗の木が埋められています。
日の当たらない民家の間を抜ける路地ですが、小布施の表通りに出る絶好の散歩道になっています。

民家のお庭を通り抜け「オープンガーデン」

「栗の小径」を歩いていくと個人宅の裏木戸へ抜ける細い道があります。
個人宅に行くための小道と思いきや、「どうぞ通り抜けしてください」との案内が。
個人宅のきれいに手入れされた庭を通り抜けて、表通りに出られます。

これは小布施に伝わる「縁側文化」「お庭ごめん」という風習を、観光客のために取り入れたもので、40軒ほどの民家がオープンガーデンとして開放されています。
緑が生い茂る日本庭園から花々が咲き誇るガーデンなど、小布施散策の楽しみをさらに高めてくれます。

まとめ

日本の町の魅力が詰まった小布施。
1日かけても足りないくらいの観光スポットがいっぱいあります。

ほかにも小布施一帯は野菜やフルーツの宝庫です。
おみやげ屋さんの店頭にも新鮮なものが並んでいます。

車では道の駅「オアシスおぶせ」が便利です。野菜フルーツ、名産品、おみやげなどが所狭しと並んでいます。

四季折々に魅力いっぱいの小布施、ぜひ時間をとってゆっくり訪れてください。