石見銀山の観光前に知りたいこと!アクセスは難関?世界遺産になるまでの歴史は?

島根 #世界遺産 #歴史 #観光 #遺跡
2024.02.01
石見銀山の観光前に知りたいこと!アクセスは難関?世界遺産になるまでの歴史は?

2007年に世界遺産に登録された「石見銀山遺跡とその文化的景観」は、銀山を掘り進みながら生活を営んだ人々の息遣いが感じられるような場所です。石見銀山は、その麓の町から風情が感じられますよ。

今回は、観光前に知っておきたい歴史やアクセスなどをご紹介します。ぜひこの記事を参考に、石見銀山観光を思い切り楽しんでくださいね。

 

石見銀山の観光前に!歴史をおさらい

まずは石見銀山へ行く前に、石見銀山の歴史をさらっとおさらいしておきましょう。いつからあるのか、どうやって坑道を掘り進めたのか、その歴史を知っておくことで感慨深さが異なりますよ。ここでは、石見銀山の歴史をご紹介します。

石見銀山が栄えた歴史

石見銀山が発見されたのは1500年代初頭の室町時代とされています。発見、開発をしたのが博多の豪商「神屋寿禎(かみやじゅてい)」です。

精錬の方法を伝えたり、銀山を守るための城を建てたりして、石見銀山はどんどん発展していきました。

商人によって銀は海外へ。多く輸出されたのは朝鮮と中国で、15世紀後半には世界の銀産出量の1/3が日本、そのほとんどが石見銀山から掘られた銀になっていました。

石見銀山の銀は、地域から国へ、やがて世界の経済に影響を与えたのです。石見銀山は全て手で掘られています。

鉱石を掘る1〜6名と、運搬する1〜3名が各坑道で作業をしていたそうです。鉱山病になった方や作業者の子どもへの食料の支給など、今の社会保障の原型が石見銀山にはありました。

世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」

世界遺産に登録されたのは「石見銀山遺跡とその文化的景観」です。構成群には作業者とその家族が暮らした大森地区や、銀を博多へ運ぶために開かれた鞆ケ浦の港、さらに港と石見銀山を結ぶ道などが含まれています。

温泉津温泉(ゆのつおんせん)に泊まるのも、石見銀山の世界遺産を満喫するひとつの方法です。世界遺産としての石見銀山を観光するなら、銀山遺跡だけでなく周辺の町並みも観光しましょう。

麓の大森地区には、今も多くの人々が生活しています。多くの遺跡物、歴史的背景、何よりまだ人々の生活が残っていること、これが世界遺産に登録された理由です。

石見銀山へアクセスしよう

石見銀山があるのは、横長な島根県の中央あたりにある大田市です。空港がある出雲や県庁所在地の松江は東部にあります。

松江から石見銀山までは車で1時間半〜2時間ほど。島根県は新幹線が通ってないので、飛行機とレンタカーを使うのがおすすめです。

2-1.空港や駅からのアクセス

石見銀山の最寄りの空港は出雲空港です。

出雲空港からは車で1時間半ほど。羽田空港と出雲空港を結んでいるのはJALのみで、1日5便あります。

お隣鳥取県の米子空港は、出雲空港から車で約1時間の場所にあります。羽田から飛んでいるのはANAのみですが、アクセス方法の候補に入れても良いでしょう。

石見銀山の最寄り駅は「大田市駅」で、駅から石見銀山へはバスで約20分です。新幹線で行く場合は東海道新幹線などで岡山へ向かいます。特急に乗り換えて松江か出雲に向かい、山陰本線に乗り換えて大田市駅へアクセスします。

駐車するのは麓の大森町

新幹線は時間がかかるため、飛行機で行ってバスで移動するか、レンタカーを借りるのがおすすめです。中国地方に近い方は、車でアクセスしたほうが時間を自由に使えます。

ただ、ここで石見銀山を観光する前に絶対知っておきたいことの1つ、「車で銀山へは行けない」問題が発生します。石見銀山は周辺の環境を保護するため、麓の大森地区の一部までしか車で乗り入れることができません。

「石見銀山世界遺産センター」の駐車場(P1~3あり)に停めて、観光バスに乗り換えて向かいます。穴場の駐車場は「石見銀山公園駐車場」で、麓の大森地区のど真ん中にあります。駐車できるのは30台ほどなので、スケジュールが決まっている方は、時間に余裕を持ってアクセスしましょう。

レンタサイクルをかりて楽チン観光

車から観光バスに乗り換えて向かうのは、歴史的な景観が始まる「代官所前ひろば」、「石見銀山公園」です。そこからの観光は、歩き!

銀山公園から最も有名な「龍源寺間歩」までは徒歩で約50分です。

「間歩」とは、坑道のことを指します。町並みを抜けてから間歩へと続く道は、なだらかな坂道です。

歩いて行くのに自信がない方は、レンタサイクルがおすすめです。レンタルサイクルには、電動アシスト付き自転車もありますので、風の強い日もスイスイ漕げます。間歩へ行くのはもちろん、大森の町並みを観光するのにも便利ですよ。

石見銀山(石見銀山世界遺産センター) 詳細情報

詳細情報

料金
入場無料
休館日
毎月最終火曜日・年末年始
開館時間
8:30~17:30※3月~11月は30分延長
住所
〒694-0305 島根県大田市大森町イ1597-3
電話
0854-89-0183
アクセス
・電車&バス
JR山陰本線・大田市駅からバスで33分
バス停「世界遺産センター」下車すぐ

・車
山陰自動車道・仁摩石見銀山ICから約10分
駐車場

公式ホームページ

https://ginzan.city.oda.lg.jp/

※情報は2024年2月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

いざ!石見銀山を観光!

大森地区の歴史的な町並みも満喫しながら、石見銀山跡地へ向かいましょう。石見銀山は実に700を超える坑道跡があるとされています。ここでは、石見銀山の観光ポイントをご紹介します。

ワンコインガイドがおもしろい

坑道が張り巡らされているとはいえ、実際に見学できる坑道は多くありません。「龍源寺間歩」は唯一年中見学できる坑道で、間歩自体の見学時間は20分ほどです。

石見銀山観光ではワンコインガイド(500円)を利用するのがおすすめです。ガイドさんの話を聞かないと気付かずに通り過ぎてしまうポイントがたくさんあるので、ガイドを利用するのとしないのとでは楽しさが段違いですよ。

しかし、ワンコインガイドは大森の町並み観光も含めた約2時間のスケジュールになっています。ガイドを含めた観光を考えている方は、事前にスケジュールを調整しておきましょう。

坑道の中はひんやり

坑道は手掘りのトンネルです。中はひんやりとしており、年間を通して約12℃と一定だそうです。龍源寺間歩まで軽く汗をかきながら向かうので、坑道の中は余計に寒く感じるかもしれません。心配な方はハンカチや羽織を持っておくと良いでしょう。

坑道の中は薄暗く、途中に鉱脈へと向かって掘った跡などが残っています。

ラピュタのような景色なら製錬所跡

引用元:photoAC

石見銀山遺跡をもっと楽しむなら、製錬所跡は必見です。「清水谷製錬所」は明治27年に建設されましたが、不採算のためわずか1年半で操業中止になりました。

その石組みが「清水谷製錬所跡」として今も残っており、外から見るだけですが見学ができます。その風景はジブリ映画の一場面のようです!龍源寺間歩の少し手前にありますから、ぜひチェックしてみてくださいね。

大森の町並みや周辺の寺院を巡ろう

引用元:photoAC

石見銀山の麓にある大森の町並みには、江戸時代へタイムスリップしたかのようなノスタルジックな風景があります。この大森の町並みも一緒に見てこそ、石見銀山の観光です。

世界遺産を構成する大切な要素であり、当時の人々の生活が偲ばれます。大森に残る歴史的な建造物は、一本の通りに並んでいるから観光しやすいですよ。

通りから外れた場所にある「五百羅漢寺」や、龍源寺間歩の近くにある「佐毘売山神社」も見逃せません。

まとめ

石見銀山へのアクセスは少し難しいですが、400年を超える歴史からは、そこで生きた人々の息吹を感じられますよ。ぜひこの記事を参考に、石見銀山の観光を楽しんでくださいね。