鳥居が美しい山陰の隠れたインスタ映えスポット!元乃隅神社・太皷谷稲成神社を巡る

山口 島根 #インスタ映え #絶景スポット
2022.03.16

日本を訪れる外国人観光客は年々増加する一方ですが、古都京都は相変わらずの人気があります。中でも外国人訪問客No.1を誇るのが伏見稲荷大社です。
歴史もさることながら、外国人を魅了するのは約1万基の赤い鳥居が連なる絶景です。そんな絶景を楽しめる神社が、実は山陰地方に隠れた名所として存在するのをご存知でしょうか?本記事では、全国的にはあまり知られていない隠れた絶景神社の代表2社をご紹介してまいります。

元乃隅神社

歴史と変遷

山口県長門市の日本海に面して建つ神社で、2018年には「元乃隅稲成神社」から現在の名称に改名されています。本来神社の改名は認められないのですが、この神社は創建時に宗教法人格を取得していないことで個人事業として位置づけられ、改名も自由とされています。

神社の起源は1955年、地元の網元である「岡村斉」の枕元に白い狐が現れます。この時、「ここで漁ができるのは誰のお陰か。吾を鎮祭せよ。」というお告げがあり、津和野の太皷谷稲成神社から分霊して建てられたのです。

見所

(1)赤い鳥居・紺碧の海・緑の野山のコントラスト

丘の上の神殿から海に向かって100m以上連なる鳥居は圧巻で、1982年から10年の歳月をかけて縁起の良い123(ヒフミ)本奉納されたものです。野の緑と紺碧の日本海に映える赤い鳥居のコントラストは、まさに日本ならではの絶景と言えます。2015年には、アメリカのTV局CNNが選ぶ「日本で最も美しい場所31選」に選ばれ、他の世界遺産の名所の中でひけを取らない美観を誇っています。

(2)参道の絶景

お参りの順路としては、丘の神殿から下に向かって参拝するのが正式とされています。参拝階段の途中にも、様々な角度から楽しめるフォトジェニックな壮大な自然を満喫できます。

中には海に向かって立つ珍しいお地蔵さんもあります。なぜ参拝客側ではなく海を向いているのかは不明ですが、この神社の起源を考えると「海に感謝し漁の安全を願う」という意味が込められているのかもしれません。

(3)龍宮の潮吹き

階段を下りきると大きな鳥居や周辺にもダイナミックな自然が横たわり、爽快な散策を楽しむことができます。徒歩で行ける距離には、「龍宮の潮吹き」で有名な海食崖があります。龍宮の潮吹きは、秋から冬にかけて200mもの潮吹きが見られることがあり、長門市名所の1つになっています。

(4)御利益と名物賽銭箱

神社の起源や海に面した土地柄、大漁、商売繁盛、海上安全などが挙げられます。他にも良縁、子宝、開運厄除、福徳円満、交通安全、学業成就、願望成就など、様々な御利益があるとされています。

また、裏参道出口にある約5mの大鳥居の上には、神主の思い付きで設置された「日本一命中しにくい」小さな賽銭箱があります。上手く小銭が入れば願いが成就するそうです。筆者もトライしましたが、入りませんでした。

元乃隅神社 詳細情報

詳細情報

参拝料金
無料

定休日

参拝可能時間
5:30-17:30

住所
〒759-4712 山口県長門市油谷津黄498

電話
0837-32-2003

アクセス
・電車&タクシー
JR山陰線「長門古市駅」からタクシーで約20分
JR山陰線「人丸駅」からタクシーで約20分
JR山陰線「長門市駅」からタクシーで約40分

・車
中国自動車道「美祢IC」から車で約60分
駐車場

公式ホームページ(長門市観光サイト):
https://nanavi.jp/sightseeing/motonosumiinarijinja/

※情報は2022年3月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

太皷谷稲成神社

歴史と変遷

1773年島根県津和野町に、津和野7代藩主「亀井矩定」が領民の平安を願って創建した神社です。伏見稲荷大社などと共に、日本5大稲荷神社の1つに数えられています。参拝客は、県内では出雲大社に次いで2番目に多く、毎年約100万人が訪れています。

名称は江戸時代に時刻を知らせる太鼓が、この地に鳴り響いたことに由来します。日本にある3万社以上の稲荷神社の中でも、「稲成」という漢字が使われているのは、元乃隅神社が2018年に「稲成」を削除して以来、今ではここ一社だけです。「成」は「成就」を表し、願いが叶うという意味が込められています。

見所

(1)千本鳥居の赤いトンネル

伏見稲荷大社と同じく、太皷谷稲成神社にも約1000本の鳥居が信者から奉納され、幻想的な赤いトンネルを作っています。階段は約300mに渡って続き、下から上の本殿まで30分でお参りできますが、車で本殿近くに駐車することもできます。

(2)四か所参り

太皷谷稲成神社の伝統的な参拝として、境内にある4か所の参拝所を巡る習わしがあります。正しい順路は「元宮」→「命婦社」→「新殿」→「新殿裏奉拝所」の順です。各参拝所に油揚げと蝋燭セット(150円)が用意されているので、お供えしながら参拝するとより霊験あらたかになるでしょう。

(3)車祓いと交通安全

神社を参拝中、珍しい車の参拝風景に出くわしました。この神社では、納車後の新車・中古車は、専用の「車祓所」で厄除けと交通安全の祈願を執り行ってもらえます。御初穂料5,000円で、祈願後には交通安全のお守りや交通安全ステッカーをいただけます。

(4)御利益

太皷谷稲成神社では、「紛失物が見つかる」という御利益で有名です。昔、津和野城の蔵番が鍵を失くしてしまったことで切腹を命じられます。

そこで蔵番は、神社に1週間願掛けに通い詰めたところ、なんと鍵が見つかり切腹を免れたそうです。この逸話から、紛失物が見つかるという御利益があると言われるようになりました。また、他にも願望成就、商売繁盛などの御利益もあるそうです。

(5)本殿からの絶景

神社は標高213mの小高い丘にあるため、本殿境内からのどかな小京都の城下町を一望できます。遠くには山口線の鉄道も見え、定期的に走る観光SL列車「やまぐち号」が田舎の風景を走り抜ける姿は、撮り鉄にはたまらない絶好のフォトスポットと言えるでしょう。

太皷谷稲成神社 詳細情報

詳細情報

参拝料金
無料 ※祈願する場合は別途料金必要

定休日

参拝可能時間
4月-10月:8:00-16:30、11月-3月:8:30-16:30

住所
〒699-5605 島根県鹿足郡津和野町後田409

電話
0856-72-0219

アクセス
・電車
JR山口線「津和野駅」から徒歩約30分、タクシーで約5分

・車
中国自動車道「小群IC」より約1時間10分、「六日市」ICより約1時間

駐車場

公式ホームページ:http://taikodani.jp/

※情報は2022年3月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

まとめ

稲荷神社にも「稲成」という漢字が使われていたこと、その唯一の神社が山陰にあることを初めて知った方も多いのではないでしょうか。世界中の人々が日本のイメージとして抱く朱色の鳥居は、それだけで神々しいオーラがあります。

しかし、それが海を背景に佇み、1000本も連なるとさらに幻想的で神秘的な世界に誘ってくれます。絶景を楽しみながら参拝して、ミステリアスな鳥居をくぐってみませんか?きっと未知の世界や新しい自分を発見するかもしれませんよ。