化かされ注意!?アニメ『有頂天家族』の聖地をめぐる旅

京都 #アニメ #ロケ地 #聖地巡礼
2023.05.01

京都を舞台に、人間社会から紛れながら生きる狸の暮らしが描かれたアニメ『有頂天家族』。
元々は2007年に刊行された森見登美彦さんの小説が原作となっており、2013年の第一期の放送に加えて2017年には第二期も放送されました。

今回はそんなアニメ『有頂天家族』に実際に登場する数多くの舞台から、京都市内で巡ることのできる聖地を集めてみました。
それぞれのスポットにまつわる豆知識も併せてご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

京都を舞台にしたアニメ『有頂天家族』

冒頭でご紹介したように、『有頂天家族』は森見登美彦さんの小説を原作とするアニメ作品です。
既に作品のファン!という方も多いかもしれませんが、聖地をご紹介する前に簡単にあらすじを復習してみましょう。

物語の主人公は京都・下鴨神社に暮らすオスの狸の「矢三郎」。
狸の家系の中では名門である下鴨家の三男坊でしたが、父親である総一郎を人間によって狸鍋にされてしまった過去を持ちます。

父親の能力を継ぎ、人間を始めあらゆる物に化けられる力を使って毎日気ままに生活することを望む矢三郎でしたが、現実はそう上手くは行きません。

ライバルである夷川家との争いや父親を捕らえた人間の秘密結社「金曜倶楽部」をめぐる騒動に、矢三郎は次々と巻き込まれて行くのでした。

アニメ『有頂天家族』の聖地を歩いてみよう

あらすじをチェックしたところで、ここからはアニメ『有頂天家族』の聖地をご紹介します。

このエリア抜きには語れない!矢三郎が暮らす「出町柳」

『有頂天家族』の聖地を紹介するに当たり、避けて通れないのが「出町柳」です。
京都市内北部にあるこのエリアは、実際に訪れてみると、毎日多くの人で賑わう京都駅や祇園周辺などと比べてのどかな風景が広がっていることに気付くでしょう。

駅を降りて目の前に広がるのが、市内を流れる鴨川上流の景色。
出町柳は鴨川を形成する二つの川「賀茂川」と「高野川」の合流地点(鴨川デルタ)があることで有名で、観光地としても人気のスポットとなっています。

アニメでは矢三郎が賀茂川に架かる「出町橋」を駆け抜ける様子が冒頭で流れていますね。

出町橋 基本情報

住所
〒602-0822
京都府京都市上京区青龍町231

駅を降りて北へ進んで行くと現れるのが下鴨神社の参道に当たる「糺(ただす)の森」です。
名前を聞いてお分かりの方も多いと思いますが、作中では矢三郎の一家・下鴨家が暮らす場所として描かれていました。

ケヤキやクスノキが生い茂る糺の森は、歩いているだけで豊かな自然を感じることのできるまさに癒しのスポット。
下鴨神社を参拝する際はぜひセットで訪れてみてくださいね。

糺の森 基本情報

住所
〒606-0807
京都府京都市左京区下鴨泉川町59−2−15

出町柳を訪れたら、出町橋を渡った場所にある「出町桝形商店街」も覗いてみましょう。
写真の魚のオブジェにピンと来た方もいるのでは!?
作品のメインキャラクターとして登場する大天狗、赤玉先生はこの商店街の外れに暮らしています。

出町桝形商店街 基本情報

住所
〒602-0822 京都府京都市上京区青龍町229

「祇園四条」周辺でアニメの景色を追ってみる

出町柳で自然豊かな風景を堪能したら、京阪電車に乗って祇園四条まで戻って来ましょう。
京都でも特に多くの人々が集まる祇園エリアにも、アニメで登場したシーンが数多く存在します。

川床の飲食店が多く立ち並ぶことで有名な鴨川の景色。夜に川沿いに明かりが灯る様子は非常に幻想的です。
出町柳で見た鴨川デルタの風景とはまた異なる鴨川の一面を楽しめる場所として、押さえておきたいスポットですね。

アニメ一話にて赤玉先生と矢三郎が話をしていた南座も、鴨川に架かる四条大橋のすぐ近くにあります。
歌舞伎の劇場として知られる南座ですが、今回ご紹介する写真のように歌舞伎役者の看板を建物に掲げる「まねき上げ」は、十一月下旬から年末にかけて見られる京都の冬の風物詩でもあります。

南座 基本情報

住所
〒605-0075 京都府東山区中之町198 四条大橋東詰

祇園エリアで足を伸ばして。矢二郎の住処「六道珍皇寺」へ

前述した祇園四条周辺と同じく、祇園エリアに位置するスポットとして分類される「六道珍皇寺」。
こちらのお寺も作中において重要なスポットとして描かれています。

六道珍皇寺は、下鴨家の次男(矢三郎の兄)である矢二郎がカエルの姿で隠居をしているお寺です。

このお寺はかつて亡くなった人を葬る地である鳥辺野と言う場所に近かったことから、現世と冥界を繋ぐ場所として人々の間で噂をされていました。
中でも平安時代の公卿である小野篁(おののたかむら)は、昼間は宮中に仕え、夜はこのお寺の井戸を通って冥界で閻魔大王の補佐をしていたのだとか!?

そんな小野篁が冥界を行き来する際に使っていたのが、矢二郎が暮らしている井戸ですね。
冥界の井戸は普段は近くで鑑賞することはできませんが、のぞき穴(?)からひっそり見学することは可能です(写真中央から少し上、松の木に隠れるようにして石造りの井戸が置いてあります)。

そんな六道珍皇寺、作品のエピソードを抜きにしても興味深い逸話が数多く残るスポットとなっています。

六道珍皇寺 基本情報

住所
京都府京都市東山区 大和大路通四条下る四丁目小松町595

開門時間
9:00~16:00

定休日
12/28~12/31

へそ石様はここにあり!オフィス街に佇むお寺「六角堂(頂法寺)」

最後にご紹介するのは地下鉄烏丸線「四条駅」近くにあるお寺「六角堂」。
下鴨神社と同じく有頂天家族の聖地として挙げられる代表的なスポットです。

正門から境内へ入って右手の地面にある「へそ石」。
アニメでは「へそ石様(狸)」が化けて石の姿になっており、矢三郎がいたずらで火をつけたせいで正体が狸であることがバレる、というユニークなエピソードが描かれていました。

京都の中心を表すとして伝えられるへそ石ですが、元々は平安京遷都以前に建てられていた本堂の礎石の名残であると伝えられています。
平安京遷都に伴い六角堂は北へ移動せざるを得ない状況になったそうですが、人々が気付けばひとりでに動いていたのだとか…そう考えると、狸が化けているという説もあながち作り話ではなかったりして!?

聖徳太子が建てたとされ、親鸞や京都の文化に代表される生け花との関わりの深い六角堂。
街中にあるため古くから庶民の信仰を集め、現在も周辺で生活を送る方々によって親しまれているお寺です。

六角堂(頂法寺) 基本情報

住所
京都府京都市中京区堂之前町248

開門時間
6:00~17:00(御朱印など納経時間は8:30~17:00)

定休日
なし

まとめ。聖地めぐりで作品のちょっと不思議な世界に浸ってみよう

今回は京都市内でめぐることのできるアニメ『有頂天家族』の聖地をご紹介しました。
京都には数えきれないほどの観光スポットがありますが、アニメに登場した聖地にテーマを絞って観光してみるのも楽しいかもしれませんね。

2017年に第二期が放送された『有頂天家族』、二期放送当時に開催されたイベントでは制作スタッフによって三期の制作もささやかれていました。

まだまだ下鴨家の活躍は終わらない!と言うことで、皆さんもぜひ京都を訪れた際は今回ご紹介した『有頂天家族』にまつわるスポットをめぐってみてくださいね。