ステンドグラスに見惚れる。文化のみちで浪漫建築散策のススメ

愛知 #オシャレ #大正ロマン #散策コース #昭和モダン
2022.07.09

文化のみちとは江戸・明治・大正の歴史的な建造物が残る名古屋市東区の「徳川園」から中区の「名古屋城」エリアの事で、名古屋の歴史文化を学ぶ上では欠かせない登録有形文化財や景観重要建造物等指定物件、名古屋市都市景観重要建築物などが数多く点在しているスポットです。
中でも大正から昭和の名古屋を代表する企業家らが邸宅を建てた「白壁・主税・橦木エリア」は、和洋折衷の浪漫建築が無料・安価で開放されていますので、ちょっとした散策にぴったり。

今回はそんな文化のみち「白壁・主税・橦木エリア」の見どころをオススメ散策コースに沿って紹介します。

文化のみちへのおすすめアクセス方法

文化のみち「撞木・主税町・白壁」エリアへ行く公共交通機関でのアクセスは、名古屋の主要駅である「名古屋駅」「広小路栄」「広小路伏見」から乗り降りでき、名古屋の観光スポットを周回する「なごや観光ルートバス メーグル」がおすすめです。
1DAYチケットは1日乗り放題でメーグルバス沿線の観光施設が割引利用もでき、とってもお得♪

なごや観光ルートバス メーグル 基本情報

運行日
火曜~日曜 ※月曜運休

料金
大人:210円 子供:100円
1DAYチケット/大人:500円 子供:250円

HP
https://www.nagoya-info.jp/routebus/

※1DAYチケットのご提示で徳川園・文化のみち橦木館・文化のみち二葉館・名古屋城の入館料、その他沿線のショップ・グルメ割引有り
※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

橦木町(しゅもくちょう)エリア

橦木町は名古屋市東区の西に位置し、江戸時代には名古屋城の城下町だったという歴史があり、現在も中級の武家屋敷が並んでいた面影を残しています。
町名の由来は、町内を通る道が竪杉ノ町で行きあたってT字路になっている形状が橦木(鐘を打つ棒)に似ていたからとの事。

華やかなステンドグラスにときめく「文化のみち二葉館」

文化のみちの中でも一番華やかで大正時代のレトロモダンを感じられるのがここ「文化のみち二葉館」です。
ピカソも魅了されたと言われる日本初の女優・川上貞奴と、電力王と称される福沢桃介の邸宅が移築・復元されており、随所にステンドグラスや細やかなデザインが光る和洋折衷のお屋敷は見応えがあります。

▲二葉館の歴史や文化のみちを学べる映像が流れる大広間。
屋敷の中には四季や自然をモチーフにしたステンドグラスが多く使われとっても素敵。

▲川上貞奴の生涯を紹介するパネルと、女優として活躍していた時代の資料が展示される1階展示室。
ここにも青が鮮やかな山脈模様のステンドグラスが。

1階は主に川上貞奴の資料や当時の生活、文化のみちの紹介について展示されており、2階では名古屋ゆかりの文学者や文学作品の展示がされています。
時期毎に企画展やワークショップ、スタンプラリーなどが開催される事も。

基本情報

住所
名古屋市東区橦木町3丁目23番地

アクセス
なごや観光ルートバスメーグル「文化のみち二葉館」下車すぐ

営業時間
10:00-17:00

定休日
月曜定休(祝日の場合は翌日定休)

利用料
高校生以上 200円

電話
052-936-3836

HP
https://www.futabakan.jp/index.html

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

大正ロマンと昭和モダンの展示も必見「文化のみち橦木館」

文化のみち橦木館は、大正末期から昭和初期に、輸出陶磁器商であった井元為三郎によって建てられました。
橦木館の中には和館、洋館、東西二棟の蔵、茶室、庭園が有り、洋館にはステンドグラスをあちこちで見ることができます。

“大正ロマンから昭和モダンへ”をキーワードに様々なイベントや企画展が行われますので、展示が変わるごとに訪れたくなります。

▲歪みのある手吹き窓ガラスから見える庭園が歴史を感じさせます。
庭に降りる事もでき、テラスにあるテーブルとイスで休憩することもできますよ。

▲1階の和室で企画展「愛知 百鬼夜行展 ~現代によみがえり新たな伝承となれ~」が開催されていました。
(既に期間終了済)アート系のイベントが多く、館内カフェでも愛知ゆかりのアーティスト作品を見ることができます。

▲旧応接室を利用した喫茶室「SHUMOKUCAFE」では名古屋の人気店とコラボレーションしたイタリアンジェラートやガレット、パンなどのカフェメニューをいただくことができます。
愛知ゆかりのアーティスト作品や、橦木館の庭園とステンドグラスを眺めながらの休憩なんていかがでしょうか。

基本情報

住所
名古屋市東区橦木町2丁目18番地

アクセス
なごや観光ルートバスメーグル「文化のみち二葉館」より徒歩3分

営業時間
10:00-17:00

定休日
月曜定休(祝日の場合は翌日定休)、12月29日~1月3日

利用料
高校生以上 200円
市内在住の高齢者 100円

電話
052-939-2850

HP
https://www.shumokukan.city.nagoya.jp/index.html

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

主税町(ちからまち)エリア

名古屋市東区の西に位置し、名古屋の難読地名としても知られる主税町。
町名の由来は、清州から名古屋へ都市を移す清州越し時に、勘定奉行・野呂瀬主税(のろせちから)がこの地に住んだことから名付けられたとの事。

トヨタグループの創業者一族・豊田佐助の邸宅「旧豊田佐助邸」

豊田自動織機創業者である発明王こと豊田佐吉の弟、豊田佐助の邸宅であった旧豊田佐助邸。
白いタイル張りの洋館が印象的で、1階が洋館・2階が和館のお座敷と和洋折衷のお屋敷です。

▲伝統的な和室造りの2階。初夏に訪れましたが、風が抜ける涼しい造りになっていました。
館内には豊田の歴史やこの邸宅で暮らしたトヨタグループ一族についての資料が展示されています。

▲灯籠や松の木など日本庭園らしい庭です。
白いタイル張りの洋館とのギャップがいかにも大正浪漫建築らしくてそそられます。

基本情報

住所
名古屋市東区主税町3丁目8番地

アクセス
なごや観光ルートバスメーグル「文化のみち二葉館」より徒歩4分

営業時間
10:00-15:30

定休日
月曜定休(祝日の場合は翌日定休)、12月29日~1月3日

利用料
無料

電話
052-972-2780

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

大正ロマン漂う和洋折衷の邸宅「旧春田鉄次郎邸」

陶磁器貿易商として成功後に太洋商工株式会社を立ち上げた春田鉄次郎が大正13年に建てた邸宅である旧春田鉄次郎邸。
洋館と和館で構成されていますが、現在洋館部分は創作フランス料理レストラン「レストラン・デュボネ」として営業中。

見学できるのは和館のみとなっています。
見学するには、隣にある「旧豊田佐助邸」の係りの方の案内が必要となりますのでご注意を。

基本情報

住所
愛知県名古屋市東区主税町3丁目6番地2号

アクセス
なごや観光ルートバスメーグル「文化のみち二葉館」より徒歩4分

営業時間
10:00-15:30

定休日
月曜定休(祝日の場合は翌日定休)、12月29日~1月3日

利用料
無料

電話
052-972-2780(旧豊田佐助邸と共通)

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

白壁エリア

名古屋市東区に位置し、江戸時代には三百石級の組頭階級の武家屋敷が並んでいたとされる白壁。
名前の由来は豊田太郎左衛門の屋敷の白塗りの武家屋敷が見事だったことと、周辺の屋敷がこれを真似て白壁の屋敷が多くなったことから。
今も高級住宅街として有名な町の一つ。

百花百草図屏風の庭園を眺める「文化のみち百花百草」

大正9年に建てられ、元は岡谷鋼機の創業家である岡谷家の邸宅であったが、長らくの空き家時代を経て書院・茶室・土蔵を改修し、母屋跡にはホールが新築された「文化のみち百花百草」。
名前の由来はかつて岡谷家が所有し、徳川美術館に寄贈した田中納言の「百花百草図屏風」から。

庭園には、この「百花百草図屏風」に描かれた内約70種の草花が植えられており、ホールでお茶やコーヒーをいただきながら眺めることができます。
公式サイトで時期ごとの花壇の様子を公開していますのでチェックしてみてくださいね。

基本情報

住所
名古屋市東区白壁4丁目91番地

アクセス
なごや観光ルートバスメーグル「文化のみち二葉館」より徒歩8分

営業時間
10:00-16:00

定休日
月・火・日曜定休

利用料
高校生以上 500円/小・中学生 200円

電話
052-931-1036

HP
https://bunkanomichi-hyakkahyakuso.jp/

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報はホームページをご参照ください。

ネオ・バロック様式が端麗なレンガ造建築「名古屋市市政資料館」

文化のみち散策の終点におすすめするのがここ、名古屋市市政資料館です。
おすすめする理由は白壁・主税・橦木エリア内で一番広く見応えがある事と、なごや観光ルートバスメーグルの「市政資料館南」駅からすぐの場所なので、帰りのアクセスがしやすい事。

1922年に建築された名古屋市市政資料館は1979年までは裁判所として使用されており、現在は名古屋市の公文書館・市民の文化利用施設として公開されています。

赤レンガ造りの外壁、ステンドグラスが使用された中央階段と華やかでモダンなネオバロック様式の建築は見応え十分。
見た目の荘厳さから様々な映画やドラマのロケ地にも起用されており、作品ファンの聖地巡りをする姿も見られます。

時期によって企画展等も開催されており、いつ行っても見所がありますのでふらっと立ち寄りたくなります。

▲中央階段のステンドグラス。ここで結婚式が挙げられる事も。その他ウェディングフォトや、モデル撮影なども行われます。

▲洋風な応接室。奥には名古屋市政資料館の歴史や概要の展示があります。
その他、多数の展示室、かつての裁判所風景、地下には留置場の様子を見る事もできます。

▲館内にある喫茶室。コーヒーは300円〜でモーニングも有り。昭和の喫茶店のようなレトロさが落ち着きます。

基本情報

住所
名古屋市東区白壁1丁目3番地

アクセス
なごや観光ルートバスメーグル「市政資料館南」すぐ

営業時間
9:00‐17:00

定休日
月曜日(休日の場合は直後の平日)
第3木曜日(休日の場合は第4木曜日)
12月29日から1月3日

利用料
無料

電話
052‐953‐0051

HP
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/52-7-4-0-0-0-0-0-0-0.html

まとめ

いかがでしたでしょうか?
紹介した順に巡ると、施設から施設まで徒歩5分もかかりません(文化のみち百花百草から名古屋市市政資料館までのみ徒歩8分程)し、全部回っても900円の入館料のみ。

とても観光しやすく、いつ訪れても企画展やイベントが開催されており楽しめます。
各施設にある喫茶室や白壁・主税・橦木エリアに多く点在するカフェなどを巡ってみたり、各施設のアート展示や同エリアにある堀美術館を回るアート巡り、レトロモダンな施設の撮影巡りなど、文化のみちで様々な散策を楽しんでみてくださいね。