夕日の絶景スポット

伊豆半島の中でも西伊豆は鉄道が開通しておらず、交通手段も車やバスに限られるため、観光客が押し寄せることもなく、静かにロマンチックドライブを楽しめる穴場スポットです。

「夕日で町おこし」を謳う西伊豆には日本一とも言える夕日の名所がいくつもあります。

黄金崎（こがねざき）

駿河湾に面し、その名の通り夕日によって黄金色に染まる崖が続く岬です。
1988年には「黄金崎のプロピライト」の名で県の天然記念物に指定されています。

この土地は海底火山の影響で、風化した安山岩が変色したため独特な黄褐色を呈し、
それが夕日をさらに美しく反映しているのです。

岬全体が公園として整備され、1万7千㎡の広さを有する敷地内には、展望台や花畑を完備した遊歩道が整備されています。

馬の形をした「馬ロック」は、競馬の必勝祈願の名所として密かに注目されており、馬ロックを描いた絵馬に祈願をたてる人もいるようです。
遊歩道の先にある黄金神社では、石置き場に石を備えると願いが叶うと言われています。

恋人岬

恋人岬はカップルの聖地と言われる恋愛パワースポットで、この地に伝わる恋人「福太郎とおよね」の愛の逸話が由来となっています。

事情があって遠く離れていた福太郎とおよね。福太郎を想うおよねの元に、神様は2つの鐘を渡します。
2人は一つずつ鐘を持ち、福太郎が漁船で恋人岬の沖を通る時、およねは岬に立って、それぞれが鐘を3回ずつ鳴らして愛を確かめ合ったそうです。

この話から展望デッキには愛の鐘が備えられ、愛する人の名前を呼びながら鐘を3回鳴らすと愛が成就すると言われています。

駿河湾や富士山を一望でき、夕暮れ時にはさらにロマンチックなムードが漂います。

恋人岬ステラハウスでは、「恋人宣言証明書」を発行してくれ、絵はがきのプレゼント、バースデーカードの郵送、結婚すれば祝電を送ってくれます。
事前に予約すれば花を用意してもらえるので、恋人岬で突然花束をサプライズプレゼントすれば、愛もさらに深まることでしょう。

2015年には展望デッキとボードウォークがリニューアルし、ここで結婚することも可能となり、展望台の愛の鐘を一緒に鳴らす演出も人気があります。

またここで味わえる卵の黄身だけを使った「伊豆・恋人岬の君だけプリン」も濃厚でお薦めです。

旅人岬

土肥から県道を北上した横根の岬に広がる2400㎡の敷地を整備した新しい観光名所で、直木賞作家・笹倉明の小説「旅人岬」にちなんで命名されました。
小説の中では旅人岬から見る夕日の美しさを饒舌に表現しています。

展望台には重岡建治氏作による「家族」と題した両親と子供を模したブロンズ像があり、笹倉明の小説の一部を抜粋した文学碑が飾られています。

展望台の足元にはハート型の石がどこかにはめ込まれており、見つけた人は幸せになると言われているので、訪れた際にはぜひ探してみてくださいね。

富士山の絶景スポット

諸口神社（もろくちじんじゃ）

戸田港に突き出した御浜岬の先にある「もろき姫」を祀った神社で、パワースポットとしてマニアには垂涎の古社です。

海に張り出した赤い鳥居からは戸田の町並みを、その脇道からは富士山が一望でき、松の木と浜と岸壁の絵画的な風景を楽しめます。

境内には「造船郷土資料博物館」を併設しています。
ここには沢山の野良猫たちがおり、筆者が訪れると、人慣れしているのか沢山集まってきてくれました。
愛猫家には猫たちの可愛いおもてなしが待っているでしょう。

夕映えの丘

上出「諸口神社」のある御浜岬や戸田港など戸田の町並みを、駿河湾にそびえる富士山と一緒に眺めることができるパノラマ展望台です。
その名の通り、海に沈みゆく夕日が映える美しい丘で、心地よい休憩ポイントとなっています。

またこの地に1968年開通した県道沼津土肥線の開通記念碑も設置され、県道建設の困難な歴史を知ることができます。

出逢い岬

出逢い岬は上出「夕映えの丘」のすぐ近くにある県道沿いの休憩ポイントで、展望台には2本の柱と中央にリングをはめたモニュメントが立っています。
このリングに富士山がすっぽり収まる角度で設置されているので、夕日に赤く染まった幻想的な富士山を是非このリングに収めて見てください。

「出逢い」という名称から、恋人岬にちなんで縁結びスポットと思われがちですが、縁結びとは関係なく、「人との出逢い」「自然との出逢い」を楽しむ場となっているようです。

煌めきの丘

煌めきの丘は、太陽の位置によって海面がキラキラと煌めいて見えることから名づけられた休憩所です。
ここから駿河湾越しに眺める富士山の風景は、緑の田園やなだらかな崖と調和し牧歌的な郷愁を誘い、一枚の絵画のようだと人気のインスタ映えスポットになっています。

眼下には「沼津の宝100選」に選ばれた井田地区の菜の花畑が広がり、「井田」という花文字が田園に描かれ、フォトジェニックな町の広告塔となっています。
私達が訪れた時は菜の花ではなく、稲の苗木が青々と井田の文字を映し出していました。

休憩所の下には県指定史跡の「井田松江古墳群」が発掘当時のまま保存され、その下には海の傍なのに淡水が湧き出す「明神池」があり散策も楽しめます。

まとめ

今回ご紹介した西伊豆の夕日スポットはほんの一部で、他にも「日本の夕日100選」に選ばれた太田子海岸や西伊豆沢田公園など、絶景スポットは沢山存在します。

見事な夕景に出会えるのは偶然の賜物ですが、季節的には8月～3月が見ごろとされ、晴れた日の日没間近に訪れるのが理想です。

自然が創り出すロマンチックな造形美の感動を、大切な家族や恋人と是非分かち合ってみませんか？

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