浄土宗の総本山である知恩院。
平安時代に創設され、長い歴史を誇る知恩院ですが、近年では夜通し念仏を唱え続ける行事「ミッドナイト念仏」や境内の夜間のライトアップなど、人々にお寺を身近に感じてもらうためのユニークな取り組みを数多く実施しています!
今回は知恩院の見どころをご紹介。
時代を超えて親しまれる知恩院の魅力を、ぜひ体感してみてくださいね。
目次
知恩院ってどんなお寺?
知恩院は京都市東山区にあるお寺です。
祇園祭発祥の地とされる八坂神社や京都市最古の公園である円山公園と隣接しており、広大な境内は国内海外を問わず一年を通して多くの観光客で賑わっています。
知恩院は浄土宗のお寺として、浄土宗の開祖である法然によって平安時代に建てられました。
歴史のある寺院として京都市内の人々からも親しまれていますが、冒頭でも述べた通り、近年では若者を始め、一般の人々とお寺を繋ぐ様々な取り組みが行われています。
その一つが毎年秋に開催されている行事「知恩院 秋のライトアップ」。
浄土宗の教えである「南無阿弥陀仏」をもじって生まれた「ナムい」というワードは、このイベントをきっかけにSNS上で大きな話題になりました。
知恩院の見どころ
歴史のある寺院でありながら、新たな取り組みに果敢に挑戦されている知恩院。
今回は普段参拝した際も楽しめる、知恩院の見どころをご紹介!
多くの人に親しまれる知恩院の魅力に迫っていきます。
お寺のシンボル!国宝の三門を見上げて
四条通の突き当り(八坂神社の前)を南北に走る「東大路通」を北上し、知恩院の正面入口から更に歩いて行くと現れるのが、「三門」と呼ばれる大きな門。
知恩院のシンボルとも言えるこの巨大な門は、徳川家康の息子である秀忠によって建てられ、現在は国宝に指定されています。
実際に見上げてみるとその大きさにびっくりする三門ですが、門の楼上(内部)にはさらに仏堂が置かれています。
普段一般参拝客へ向けた開放は行っていませんが、毎年春に開催される「ミッドナイト念仏」ではなんと無料で中に入ることができるんです!
上述しましたが「ミッドナイト念仏」は、浄土宗の開祖である法然をしのんで行われる法要の一環として、毎年開催されている行事です。
当日は夜通し知恩院のお坊さんによって読経が行われます。
一般参拝客も実際に楼上に登ってお坊さんと一緒に念仏を唱えられる行事ということで、夜間開催のイベントでありながらも毎年多くの方が訪れています。
そんな三門を、実際に訪れた際はぜひ写真に収めてみてくださいね。
境内の建物を巡ってみよう
三門をくぐると知恩院の境内へと入って行きます。
境内で最も大きな建物である御影堂は、江戸時代に建てられ、三門と同じく国宝に指定されています。
また御影堂は2012年から2022年にかけて大修理をしたばかり。
落慶後の御影堂の姿をぜひその目でご覧になってみてください。
御影堂内では、時間帯によってはお坊さんの法要や法話や法要が行われていることも。
法話はお坊さんからのありがたいお話を聞くことができる機会として、そして法要はぜひお坊さんの唱える念仏に耳を澄ませてみていただきたいもの。
仏教に関する言葉として耳にする機会の多い「南無阿弥陀仏」は浄土宗の教えで、実際にお坊さんの念仏を聞いてみると、この「南無阿弥陀仏」を本当に唱えていることが分かります。
お寺でミステリーツアー!?境内で探す「知恩院の七ふしぎ」
知恩院で有名なのが、「七ふしぎ」と呼ばれる、お寺にまつわる七つの逸話のこと。
「七ふしぎってどういうこと?」と初めて聞いた方のために、知恩院に伝わる七つの謎を具体的にご紹介します。
まず一つ目が、「鴬張りの廊下」と呼ばれる廊下のこと。
これは御影堂から現在参拝することのできる集会堂、そして住職の方が住まわれる方丈を繋ぐ廊下のことで、踏むと鶯のような音が鳴ることで知られています。
元々は庭に砂利をしきつめるように侵入者を防ぐ目的で作られたとされていますが、音が鴬に似ているなんて風流ですよね。
この「鴬張り」の技術は知恩院のみならず、二条城などにも取り入れられており、実際に歩いて体感することができます。
二つ目の「忘れ傘」は御影堂の軒裏に置かれている傘のこと。
江戸時代に置かれたものとされており、百年以上過ぎた現在も火よけのおまじないとして当時のままにされています。
お寺の外にあるお土産屋さんでは、この忘れ傘を模したお菓子も売られています。
三つ目の「三方正面真向の猫」と四つ目の「抜け雀」は、知恩院が収蔵している日本画のことですね!
「三方正面真向の猫」はどの方面から見ても猫が正面を見ているように見える、というエピソードを持った絵で、「抜け雀」は余りに上手に描かれていたためどこかへ飛んで行ってしまったとされる雀の襖絵のこと。
いずれも複製が境内に展示されています。
五つ目の「白木の棺」は三門の楼上に納められている木製の棺のこと。
中には三門を建設した夫婦の像が入っており、この二人は三門を建設したものの予算を超過してしまったために責任を取って自刃してしまった、という悲しいエピソードが伝わっています。
二人を弔うために、楼上に安置しているという経緯があるんですね。
六つ目の「大杓子」は方丈の裏に置かれた巨大な杓子のこと。
とても普通の人間が軽々と持てそうな大きさではありませんが、『真田十勇士』に登場する三好清海入道は、片手で持ってご飯をすくっていたなんてエピソードも・・・。
最後にご紹介する「瓜生石」は、西側にある門「黒門」の前に置かれている石です。
石と言っても形は平らで、かつてこの地に誰が育てた訳でもないのに瓜が実ったというエピソードが残されていることからこの名が付きました。
逸話の多い瓜生石ですが、掘ると二条城まで続く抜け道があるとも言われています。気になりますね・・・!
観光バスが行き来する場所にありますので、写真を撮影する際は車に気を付けて石まで近付いてみてくださいね。
まとめ
今回は京都市東山にある寺院、知恩院の歴史や見どころをご紹介しました!
地域の人々から「知恩院さん」と呼ばれて親しまれている知恩院。
現在は2020年の落慶を記念した、落慶記念団体参拝も行われています。
京都の繁華街である祇園からも近い場所にありますので、付近に立ち寄った際はぜひ知恩院にも足を運んでみてくださいね!
住所
京都市東山区林下町400
定休日
なし