広島縮景園は街中にあるオアシス!散策して自然の緑を満喫しよう

広島 #庭園 #歴史
2022.09.03

広島城から少し離れた位置にある「縮景園(しゅっけいえん)」は、独立の庭園に見えますが、元々は広島城の一部でした。「泉水屋敷」造りの一環であり、大名庭園として先駆けて作られた縮景園は、美しい日本庭園の見どころがたくさんあります。

庭園に一歩踏み入れると、街中にこのような素晴らしい場所があることに驚くこと間違いなし!本記事では緑豊かで空気も清々しい、リフレッシュして散策できる縮景園をご案内します。

名勝縮景園とは

江戸時代に盛んであった「泉水屋敷」の築成により、広島浅野藩初代藩主の浅野長晟も縮景園を造る流れになったと言われています。作庭者は、千利休の系譜の上田主水正重案(宗箇)で、大名庭園の先駆けとして注目されたものでした。

江戸香る縮景園内の建物

縮景園の園内には、至る場所に江戸時代の建築造りの特徴を持った建物があります。数寄屋風書院造り、茅葺き屋根、書院造りの建物など、時代を感じる数々の建物は造りもデザイン性豊かです。じっくりと眺めると、趣きも感じられるでしょう。

自然を活用した美しい庭園造り

縮景園は、なんと言っても四季折々にあふれる自然が見どころです。季節によって咲く花々も異なり、桜の花見の季節はお花見にぴったりでしょう。夏は青々とした緑が木陰を作り、暑い時でも日陰で休みながら散策を楽しめます。

秋には紅葉が美しく、冬はうっすらと積もった雪景色が、いっそう美しさを増すでしょう。四季折々の移ろいを感じることができ、時代をトリップしたような気分になりますよ。

縮景園を歩いてみよう

縮景園は、おすすめの散策ルートが2つあります。じっくりと園内を散策したい人には「基本順路40分ほどのコース」、短時間でさっと見たい人向けには「20分ほどのショートコース」です。お子さん連れだと、ショートコースがちょうど良いかもしれません。ただ、園内をくまなく回って見ることで、隠れた見所がたくさん見つかるので楽しいですよ。

入口の立派な冠木門を通ると、緑豊かな木々とボランティアの方達が出迎えてくれます。親切に道案内をしてくださります。また、園内に精通している人が多く、詳しく園内を見て回りたい方はガイドを頼むこともできます。

清風館(せいふうかん)

まず最初に見えてくるのが「清風館」という建物です。筆者が訪れた日は、ちょうどイベント前で中まで入る事ができました。※普段は入れません。

外観は、間違えて呼び鈴を押してしまいそうになるくらい親しみやすいお家という印象でした。数寄屋風書院造りで、屋根は杮葺き(こけら)、東側に花頭窓・西側に書院造りの様式を構えています。普段見られない内部は、茶室・清風之間・老候之間・次之間・玄関之間・水屋之間で構成され、優雅な雰囲気を醸し出していますよ。

迎暉峰(げいきほう)

じっくりコースで歩いていくと、あふれる緑は、美しく見えるように計算されて配置された日本庭園の極みを感じることができます。日常から離れた庭園は、時代トリップできる数少ない場所です。大銀杏の木を過ぎ、小高い坂・階段を上っていきます。

ややワイルドなデザインの風景は、富士山をモデルに造られた場所です。頂上となる場所は、絶景の写真スポットとなっております。記念写真は、ここで撮られるといいでしょう。ごつごつとした山をイメージした造りに、下りの道もあるという細かな設定が面白いですよ。

悠々亭(ゆうゆうてい)

周りには「香菜圃(こうさいほ)」という畑や「看花とう」と呼ばれる休憩処などがあります。すぐ側の京橋川を眺めながらぐるりと回っていくと、厚みのある屋根の建物が見えてきます。

池の湖畔に建つ「悠々亭」は、茅葺きの四阿で、昔や歌会や納涼茶会などが開かれていたようです。実際に中に入ってみると、暑い日でも涼しく過ごせました。また、向こう岸の景色が見渡すことができ、違った角度から見る景色も素敵ですよ。

白龍泉(はくりゅうせん)

池沿いに歩いて行くと、道すがら美しい庭園造りがたくさんあり、思わず眺めてしまいます。池には鯉や亀がおり、生き物も気持ち良さそうに泳ぐ姿が可愛らしいです。積翠厳(せきすいがん)という立派な岩達は、池の水面に写し出されて圧巻の美しさを誇ります。

その側にある「白龍泉」は、工夫を凝らして造られています。滝から流れ出た水は、あたかも白龍が伏せているかのように形造られ、その細かな芸術性に感激するでしょう。

明月亭(めいげつてい)

白龍泉の近くにある「明月亭」は、屋根は茅葺きや杮葺きです。また、数寄屋造りでありながら、一部書院造り様式の特徴となっています。内部や茶室・控之間・水屋之間・玄関之間があります。こじんまりした休憩処という外観ですが、造りがしっかりしております。窓枠に牛車の車輪をあしらった細かいデザインがおしゃれです。

超然居(ちょうぜんきょ)

紅葉の木々のゾーンを通っていくと、島が見えてきます。ちょっと小高い場所にある島は「超然居」と呼ばれ、園内で最大の島でもあります。小高いため、中に入り上から見下ろすと、素晴らしい景色を見ることができますよ。

観らん・洗心橋のどちらとも繋がり、超然居は人里離れた静寂な場所を表していると言われています。上田宗箇の代表的な作品で、思い入れから造られたものであるため、戦後の大改修でも手を加えられなかった場所です。

跨虹橋(ここうきょう)

清風館の近く、橋のたもとでは、たっぷり入った鯉のえさが100円で売られています。池にはたくさんの鯉や亀がおり、橋からえさやりを楽しむことができますよ。ただ、橋はガードがないため落ちないように気を付けましょう。

跨虹橋は、天明時代に7代藩主「浅野重晟」が京都の庭師「清水七郎右衛門」に造らせたものです。大きく反り返る構えは、地上と天井を結ぶ虹に例えられているからと言われています。上ってみたくなりますが、階段が斜めで急傾斜であるため見るだけに留めておくといいでしょう。

広島縮景園 詳細情報

詳細情報

料金
一般260円、高校生・大学生150円、小学生・中学生100円

休園日
12月29日~31日

営業時間
4月~9月:9:00~-8:00
10月~3月:9:00~17:00

住所
〒730-0014 広島県広島市中区上幟町2−11

電話
082-221-3620
アクセス
・電車(路面電車)
JR「広島駅」南口Aホーム1・2・6番乗車し、「八丁堀」で乗り換え、白島線電車「縮景園前」下車すぐ
・バス
JR「広島駅」新幹線口(オレンジルート)乗車し、「県立美術館前(縮景園前)」バス停で下車
・車
山陽自動車道「広島IC」から約20分

駐車場

公式ホームページ
https://shukkeien.jp/

※情報は2022年5月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

まとめ

縮景園は季節によって見る風景が変わってきます。季節ならではの良さがあり、時期ごとに訪れても良いでしょう。歴史背景から見る日本の庭園の細やかな美しさや、自然とのコラボが心地良く、1回訪れるとはまってしまいます!広島に行かれる際は、ぜひ足を運んでみて下さいね。