焼津を愛した文豪・小泉八雲について知ろう!焼津小泉八雲記念館の楽しみ方

静岡 #小泉八雲 #文豪 #明治 #記念館
2022.08.24

静岡県中部に位置する焼津市には、明治時代の文豪・小泉八雲にまつわる品々を展示している「焼津小泉八雲記念館」があります。小泉八雲は焼津の地を愛し、焼津を舞台にした作品も数多く残しました。

記念館には小泉八雲が焼津滞在中に使用していた日用品や、焼津に関する作品が展示されています。本記事では、そんな焼津小泉八雲記念館の魅力をご紹介します。

小泉八雲記念館とは

「焼津小泉八雲記念館」は、明治時代の文豪・小泉八雲の記念館です。小泉八雲がこよなく愛した焼津での人々との交流や彼の焼津滞在中の活動を多くの人に伝えるために設立されました。

記念館は小泉八雲顕彰会と協力し、地元の子供達の地域への関心を高めるため「焼津ゴーストツアー」の開催や文芸作品コンクール、講演会など、小泉八雲を資源として地域社会活性化を目指す取り組みも行っています。

小泉八雲について

日本に帰化した文豪・小泉八雲。ここでは小泉八雲がどのような人物だったのか、また八雲と焼津の関わりについてご紹介します。

小泉八雲

小泉八雲は、1850年6月27日にパトリック・ラフカディオ・ハーンという名前でギリシャのレフカダ島で生まれました。19歳で単身アメリカに移住したハーンは極貧生活を経験した後、シンシナティでジャーナリストとして活躍し始めます。

その後、ルイジアナ州ニューオリンズに移住した際に、文化万博で英訳された「古事記」に影響を受け、1890年4月に来日します。これが彼にとって第1回目の渡日でした。同年8月には松江の中学校で英語教師、その後熊本の高等中学校や神戸の会社勤務を転々とします。

1896年からは帝国大学の文科大学講師となり、同年に松江の小泉セツと結婚して日本に帰化しました。4人の子供に恵まれ、約30もの作品をこの世に残した八雲ですが、1904年9月26日に54歳の若さでこの世を去りました。

小泉八雲と焼津

小泉八雲は日本に来てから死ぬまで合計6回焼津を訪れています。八雲が家族を連れて焼津を初めて訪れたのは1897年の8月でした。

八雲は夏休みを過ごすための海辺のまちを探しており、たまたま焼津の地に立ち寄ったのです。立ち寄った先の焼津の荒々しい海を気に入った八雲は、地元の魚商人・山口乙吉の家の2階を借りて夏を過ごしました。その後、2年後の1899年から1902年まで毎年焼津を訪れました。

また、亡くなる年の1904年にも焼津を訪れています。焼津を大変気に入った八雲は、乙吉に別荘を建てるための候補地を探して欲しいという依頼を残して帰京します。ですが、それから1か月も経たない内に心臓発作で急死しました。

小泉八雲記念館の見どころ

記念館では八雲の直筆の書簡や草稿、遺品を中心に焼津に関する八雲の資料も展示しています。ここでは、記念館の見どころを厳選した4点をご紹介します。

煙管小泉八雲所用と望遠鏡小泉八雲所用

写真中央上にある煙管は、八雲が焼津で購入したと言われているものです。大のタバコ好きの八雲は来日後煙管収集にも熱中し、約100本もの煙管を集めました。

左目を失明した八雲は、上記写真の左上にある望遠鏡を愛用していました。この望遠鏡を使って、焼津の町や人々を観察していたようです。

八雲からセツ夫人宛ての直筆所管

八雲が焼津に滞在していた時に東京に残してきたセツ夫人に宛ててカタカナで書いた手紙です。八雲は生涯で21葉の手紙をセツ夫人に出しており、その内7葉がここ焼津小泉八雲記念館に展示されています。

「At Yaidzu(焼津にて)」の草稿

八雲が最初に焼津を訪れたときの見聞が記録された「焼津にて」の草稿の一部です。作品は全部で4部作。作品の後半部分は、八雲文学の頂点の1つとして高い評価を得ています。記念館にある断片には、沖にでた八雲を乙吉夫婦が止める場面が書かれています。

焼津小泉八雲記念館 詳細情報

詳細情報

料金
無料

休館日
毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)、展示替期間

営業時間
9:00-17:00

住所
〒425-0071 静岡県焼津市三ケ名1550

電話
054-620-0022

アクセス
・電車&バス
JR「焼津駅」南口4番乗り場より焼津市自主運行バスに乗車し、「文化センター前」バス停で下車
・車
東名高速道路「焼津IC」より約10分

駐車場

公式ホームページ
http://www.city.yaizu.lg.jp/yaizu-yakumo/

※情報は2022年4月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

焼津で八雲巡り

八雲がこよなく愛した焼津には、記念館の他にも八雲と縁のある場所があります。本記事では、2箇所ピックアップしてご紹介します。

海蔵寺

海蔵寺は八雲の作品「漂流」にでてくるお寺です。主人公天野甚助は荒れ狂う海でつかんだ板子により助かりました。その板子を奉納したのが海蔵寺です。板子は住職の好意により、記念館に展示されています。

海蔵寺 詳細情報

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拝観料
無料

休館日

拝観時間
9:00-17:00

住所
〒425-0035 静岡県焼津市東小川6丁目21番地の4

電話
054-620-3588

アクセス
・電車&バス
JR「焼津駅」より静鉄バス「焼津大島線」に乗車し、「小川東」バス停で下車
・車
東名高速道路「焼津IC」より約12分

駐車場

公式ホームページ
https://www.kaizouji.com/

※情報は2022年4月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

八雲の碑

小泉八雲顕彰会が焼津駅前に建立した記念碑です。記念碑には、八雲の顔が彫られたレリーフと彼の作品「焼津にて」の一節が刻まれた石が埋め込まれています。

また、上記2つ以外にも和田浜海岸や浜通り、熊野神社など、焼津には小泉八雲ゆかりの場所がたくさんあります。お時間に余裕のある方は、足を運んでみてください。

まとめ

本記事では、明治時代の文豪・小泉八雲にまつわる焼津小泉八雲記念館をご紹介しました。記念館を訪れると、八雲にとって焼津が単なる夏の休暇地であっただけではなく、作品執筆の発想のヒントを得る場所でもあったことが分かります。焼津を訪れる際には、ぜひ焼津小泉八雲記念館へ訪れてみてはいかがでしょうか。