1泊2日の佐渡の旅!「史跡 佐渡金山」と「トキの森公園」を巡る

新潟 #グルメ #フェリー #天空の城ラピュタ
2022.04.10

新潟県の西に位置する佐渡島は、金採掘の歴史を誇る「史跡 佐渡金山」や、かつて絶滅の危機に陥ったことでも知られるトキを保護する「トキの森公園」が有名です。筆者は今回1泊2日で、上記2つの施設を巡ってきました。本記事では、「史跡 佐渡金山」と「トキの森公園」の魅力に詳しく迫ってまいります。

佐渡島の金発掘とトキの歴史

佐渡島の金採掘の歴史は、今から約420年前の1601年に始まります。それから1989年に採掘を中止するまで、389年間創業した日本最大の金山です。資料館にある金の延べ棒は6000万円の価値があり、今回筆者も触ってきました。

続くもう1つのトキ。日本生まれのトキは一度日本から姿を消しましたが、1999年中国からつがいが贈られ、人工飼育が始まりました。その後、島民を含めたトキ復活の活動が実を結び、今では400羽ものトキが佐渡の空を飛んでいます。実際に見てみる分かるのは、本当に優雅な鳥であることです。

「史跡 佐渡金山」の坑道見学は2コース。金塊にも触れるぞ

出典元:PIXTA

佐渡島へは新潟港から渡ります。身軽に行くならジェットフォイルが便利ですが、筆者は車だったのでフェリーを利用しました。約2時間30分の船旅です。ちなみに、ジェットフォイルだと1時間5分で佐渡に到着します。

新潟港9時20分発のフェリーに乗り込みます。大きな船なので揺れもほとんどなく快適でした。11時50分、佐渡島の両津港に到着します。両津港から「佐渡金山」までは国道350線、「大佐渡スカイライン」経由で約27km、40分の距離です。

※フェリーの運賃や時刻表などの詳細につきましては、下記ホームページをご参照ください。

佐渡汽船ホームページ:https://www.sadokisen.co.jp/

「史跡 佐渡金山」は旧坑道の見学がメイン

ランチの後、「史跡 佐渡金山」へ向かいます。道路は整備されていてスムーズに進めました。また、「佐渡金山」に向かう途中前方に、真ん中がV字型に割れた大きな山が見えてきます。不自然な割れ方でほとんど垂直な崖になっています。こちらは、「道遊の割戸(どうゆうのわれど)」と呼ばれている江戸時代の露天堀跡です。

ほどなく「佐渡金山」に到着!入口で入場券を買って中に入ります。見学コースは、「宗太夫抗(そうたゆうこう)江戸金山絵巻コース」と「道遊抗(どうゆうこう) 明治官営鉱山コース」の2つあります。

江戸時代・明治以降の旧坑道を見学。作業員の人形がリアル

「宗太夫坑 江戸金山絵巻コース」は江戸時代の手掘り坑道・採掘跡で、採掘作業を人形で忠実に再現しています。大変な重労働だったことがよく伝わってきます。また、罪人も連れて来られていました。見学所要時間は30分ほどです。

「道遊坑明治官営鉱山コース」は、明治期から操業休止になるまで使われていた坑道です。実際に使われていたトロッコや線路がそのまま残されています。また、坑道内の気温は年間を通じて10℃前後です。お越しになる際は、夏の時期であっても長袖の上着を用意することをおすすめします。

そして、坑道を出ると「道遊の割戸」が間近に見えます。「道遊の割戸」周辺には露天掘りできるほどの鉱脈があり、露天掘りが終わった後もこの山の下で採掘していました。まだ鉱脈はあるのですが、採算ベースに乗らないというということで採掘を中止したようです。ここには、トロッコ車庫や粗砕場跡(そさいじょう)が残されています。見学所要時間は約40分です。

「天空の城跡」に似ている工場跡に感激

「佐渡金山」では、採掘のほか精錬作業も行われていました。工場跡も遺跡として残っており、それらは坑道とは別の場所に点在していて自由に見学することができます。坑道や工場跡は、ほとんどが国の史跡や重要文化財でもあります。

中でも「北沢浮遊選鉱場跡」は階段状になった巨大な選鉱場で、その大きさは東洋一と言われました。上から下に鉱石を流して不純物を取り除いていきます。最終的に金と銀を選び出し、ほかの部分は水と一緒に捨てます。また、この選鉱場はアニメ「天空の城ラピュタ」に登場する天空の城跡に、雰囲気が似ていることから話題になりました。

6000万円の金塊は、美しい!

資料館にある6000万円の金の延べ棒に触ってきました。純度99.9%という金の延べ棒には触りたい人で長蛇の列ができ、5分くらい待ってようやく順番が回ってきました。金属としては柔らかいけど重さもあり、あっという間の体験でした。その後、金箔貼りの体験をして佐渡金山とお別れです。道中では、当時から続く町並み(京町通り)や渡奉行所なども見て回ることができました。

そして、もう1つの楽しい体験が砂金とり体験です。こちらの体験は、佐渡最古の金山と言われている「西三川砂金山」の跡地に建っている資料館「佐渡西三川(さどにしみかわ)ゴールドパーク」でできます。一番簡単なのが館内での砂金とり体験(初級・中級コース)で、裏手にある西三川川では上級コースの砂金とりもできます。筆者は上級コースを狙いましたが、やはり簡単に金は手に入りません。夢は夢で終わりました。

史跡 佐渡金山 詳細情報

詳細情報

料金(個人)
宗太夫坑 江戸金山絵巻コース:大人900円、小中学生450円
道遊坑明治官営鉱山コース:大人900円、小中学生450円
2坑道周遊コース:大人1400円、小中学生700円
アイランド ミラージュ~歴史遺産とMR体験コース~:大人3,000円、小中学生2,550円
ガイド付き山師ツアー上級者向け(中学生以上):大人(高校生以上)2,400円、中学生1,200円

休館日
年中無休

開館時間
4月~10月 8:00~17:30、11月~3月 8:30~17:00
※最終入館は30分前まで

住所
〒952-1501 新潟県佐渡市下相川1305

電話
0259-74-2389

アクセス
・車
両津港から国道350号を経由して約40分
両津港から県道65号を経由して約45分
小木港から国道350号を経由して約45分
・バス
路線バス「七浦海岸線」に乗車して「佐渡金山行」で下車。

駐車場

公式ホームページ:http://www.sado-kinzan.co.jp

※情報は2022年4月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

佐渡西三川ゴールドパーク 詳細情報

詳細情報

料金
大人(中学生以上)1,000円(団体15名以上で900円)、小学生900円(団体15名以上で810円)、幼児無料(砂金とり体験をやる場合は500円必要)

休館日
年中無休

開館時間
3~4月・9~11月:8:30~17:00、5~8月:8:30~17:30、12~2月:9:00~16:30

住所
〒952-0434 新潟県佐渡市西三川835−1

電話
0259-58-2021

アクセス
・車
両津港から国道350号を経由して約40分
小木港から国道350号を経由して約15分
・バス
路線バス「小木線」に乗車して「ゴールドパーク」で下車。

駐車場

公式ホームページ:http://www.e-sadonet.tv/goldpark/

※情報は2022年4月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

1日の疲れは「ホテル ファミリーオ佐渡相川」で癒しを

日が暮れてきたので、1日目の探索はいったん中断。今回、筆者は「史跡 佐渡金山」から少し北の海岸にある「ホテル ファミリーオ佐渡相川」で宿泊しました。

「ホテル ファミリーオ佐渡相川」は、JR東日本が運営するファミリー向けの小規模な観光ホテルです。宿泊料金は、1泊2食付きで1人9000円くらいからとリーズナブルに抑えられます。※プランによって異なります。

天然温泉のお風呂があり、ゆっくりと疲れた体を癒やすことができます。宿からは男性的な海岸線と雄大な日本海が望めます。また、近くには江戸時代に日本海側に出現した異国船の襲来に対する砲台を設置した「御台場跡」があります。

ファミリーオ佐渡相川 詳細情報

詳細情報

料金
プランごとに異なるため要問合せ

チェックイン
15:00~

チェックアウト
11:00まで

住所
〒952-2136 新潟県佐渡市小川1267−1

電話
0259-75-1020

アクセス
・車
両津港から国道350号を経由して約45分
小木港から国道350号を経由して約50分
・バス
路線バス「七浦海岸線」に乗車して「相川」で下車、その後「海府線」に乗り換えて「ファミリーオ佐渡相川」で下車。
※相川バス停からの無料送迎も有り

駐車場

公式ホームページ:https://familio-folkloro.com/sadoaikawa/

※情報は2022年4月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

トキの森公園の前に軽く探索

トキの森公園に行く前に、御台場跡を軽く探索しました。続く道中にある相川の海岸では、かつて「北沢浮遊選鉱場」で出た破棄物や質の悪い鉱石を捨てていたとのことです。この情報を地元新聞の記事を見た筆者は、鉱石探しに挑戦しようと思いましたが、天気が最悪で断念しました。

2日目は特別天然記念物トキに会いに「トキの森公園」へ

御台場跡周辺を散策した後、「トキの森公園」に向かいます。「トキの森公園」は宿から車で約26km、40分の距離です。ファミレスっぽいレストランで昼食休憩をはさみ、午後1時過ぎに到着しました。

間近でトキに会えた

出典元:PIXTA

「トキの森公園」は特別天然記念物のトキを繁殖、飼育し一般公開している施設です。トキは現在400羽ほどが佐渡島(一部本州)に生息するほど個体数が回復していますが、自然の状態で観察できるまでには至っていません。ここでは大きな飼育設備の中で、トキを放し飼いにして観察できるようになっています。

運が良ければ、目の前数十センチのところでエサを探すトキを見ることができます。この日は2、3mの所にいました。野生のトキを見られる日が近いことを祈って、「トキの森公園」を後にします。

「トキの森公園」から両津港のフェリー乗り場まではすぐ。午後4時過ぎのフェリーで新潟へ戻りました。

トキの森公園 詳細情報

詳細情報

料金
大人(高校生以上)400円、小人(小中学生)100円

定休日
毎週月曜日(3月~11月は無休)、年末年始

開館時間
8:30-17:00(最終入館は16:30)

住所
〒952-0101 新潟県佐渡市新穂長畝383-2

電話
0259-22-4123

アクセス
・車
両津港から県道65号を経由して約15分
小木港から国道350号を経由して約45分
・バス
路線バス「南線」に乗車して「トキの森公園」で下車。

駐車場

公式ホームページ:http://tokinotayori.com/tokipark/

※情報は2022年4月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

まとめ

「史跡 佐渡金山」は観光化されている旧坑道を見学するだけで終わってしまいがちですが、周りには史跡や遺産が多く残っています。ゆっくり時間を取り、色々見て体験できたので、思った以上に楽しく勉強になりました。

また、「トキの森公園」では、初めて見るトキの姿に感動しました。よく田んぼでエサをついばむトキの姿がテレビで映されていますが、田んぼをトキの餌場として開放するために、有機肥料で米を育てている地元農家の努力あってこそです。

本記事では2箇所の紹介が中心でしたが、佐渡には他にも良いところがいっぱいあります。筆者はフェリーの往復時間の関係で2箇所しか回れませんでしたが、時間に余裕のある方は、佐渡島の隅々まで探索してみてはいかがでしょうか?