黄金文化の地を楽しもう!世界遺産「中尊寺」の魅力をご紹介!

岩手 #世界遺産 #中尊寺 #歴史
2022.03.20

岩手県の平泉にある中尊寺は、2011年に世界遺産に登録されました。
平泉の世界遺産には・・

・毛越寺(もうつうじ)
・観自在王院跡
・無量光院跡
・金鶏山

そして、今回ご紹介する中尊寺の5つが登録されています。

中尊寺は、850年に比叡山延暦寺の慈覚大師円仁によって開かれました。そんな中尊寺と言えば「金色堂」が最も有名ですが、実は金色堂以外にも見どころは沢山あります!

本記事では、中尊寺の楽しみ方をご紹介します。

中尊寺とは

中尊寺は9世紀に建立され、「関山(かんざん)」という山号があります。
開山したのは慈覚大師円仁と言われていますが、円仁よりも奥州藤原氏三代(清衡、基衡、秀衡)ゆかりのお寺として有名です。

中尊寺には平安時代の美術、工芸、建築品などの文化財が多数保管されています。

また、中尊寺の境内は「中尊寺境内」として国の特別史跡にも指定されており、2011年にはユネスコの世界遺産「平泉ー仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群ー」の1つとして登録されています。

そんな中尊寺は、国道4号線のすぐそばにあるにも関わらず、月見坂という山道を少し登るだけで杉の木々に囲まれた自然を感じられ、静寂な世界に入ることができます。

中尊寺の歴史

中尊寺は850年に開かれましたが、12世紀頃に藤原清衡の手により大規模造営が行われました。法華経を深く信仰していた清衡は、その教えに基づき伽藍(がらん)を境内に建立しました。
また、清衡の息子の基衡は毛越寺、三代秀衡は無量光院を建立しています。

こうして三世仏(過去釈迦、現世薬師、未来世阿弥陀)を本尊とする三寺院が建立されたのです。

そんな平泉は、1世紀近く戦争のない平和な時代でした。しかし、源頼朝から逃げてきた源義経をかくまって以降、源頼朝に攻められ、奥州藤原氏は滅亡しました。

鎌倉時代以降、庇護者がいなくなった中尊寺は14世紀の火災により多くの堂や宝物を失います。
しかし、幸運なことに金色堂や絵画や工芸品などの美術品などは焼失せずに残ったのです。
これらの残った美術品などは、現在まで大切に保管されています。

中尊寺の楽しみ方

ここからは、中尊寺の見どころを4つに分けてご紹介します。

金色堂

金色堂は、中尊寺1番の観光名所とも言えます。
国宝に指定されている金色堂は、今も創建当時の姿を残しています。

奥州藤原氏初代の清衡により建立された金色堂は、極楽浄土の有様を表現するために当時の工芸技術を多く取り入れた建築物です。

三間四面という小さなお堂ですが、内部は漆工芸、金属工芸、仏教彫刻などの芸術品が凝縮されています。
特に内陣部分には、海外からもたらされた夜光貝を使った螺鈿細工や象牙、宝石による装飾が見事です。
中心の阿弥陀如来は両脇に持国天、増長天、觀音勢至菩薩、地蔵菩薩(6体)を従えており、珍しい仏像構成になっています。

また、ここには藤原家四代(清衡、基衡、秀衡、泰衡)が今も安置されています。

本堂

本堂は、中尊寺の中心的なお堂の1つです。
本堂は今でも法要や儀式などで使われていますが、現在の建物は1909年(明治42年)に再建されたものです。

本尊の釈迦如来坐像は丈六仏という大きな仏様ですが、これは清衡が中尊寺を造営した際に「丈六皆金色の釈迦如来」を本尊に安置したことに倣ったためです。

讃衡蔵

讃衡蔵は、奥州藤原氏の文化財を3000点ほど保管、展示している場所です。
奥州藤原氏の遺体の副葬品や平安時代の仏などが収蔵されているので、奥州藤原氏の当時の様子を伺い知ることができます。

宝物館の中でも見逃せないのが丈六仏(じょうろくぶつ)です。
丈六仏は3体あり、左から薬師如来(もとは閼伽堂の本尊)、阿弥陀如来、薬師如来(もとは峯薬師堂の本尊)といいます。

丈六とは1尺(30.3cm)の16倍の大きさ、つまり484.8cmです。ただ、これらの丈六仏は座っているので、大きさは半分の約270cmです。

3体の丈六仏は重要文化財に指定されているので、時間をかけて3体鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

月見坂

月見坂は、中尊寺の玄関口とも言える場所で、松尾芭蕉など多くの旅人が通ったと言われています。月見坂を登らないと、標高130mほどに位置する中尊寺には行けません。

月見坂の両サイドには樹齢300年を超える老杉や杉の木があり、情緒ある雰囲気を演出しています。

また、山道を進むと途中に北上川や衣川、束稲山など奥州藤原氏と関わりのある自然を眺めるスポットがあります。

当時の平泉の生活などを想像するのも良いでしょう。

アクセス

公共交通機関

公共交通機関を使う場合は平泉駅から平泉町巡回バス「るんるん」に乗車した後、「中尊寺」バス停で下車、徒歩約10分です。

一関駅からお越しの場合は10番乗り場で岩手県交通バスに乗車、「中尊寺」バス停で下車、徒歩約10分です。

中尊寺は世界遺産で岩手県の中心的な観光スポットなので、最寄りの国道4号線の数キロ手前から案内表示があります。案内表示に従って進むといいでしょう。

駐車場は、第一駐車場、第二駐車場、坂の上駐車場と3箇所あります。
3つの中では、坂の上駐車場が1番本堂に近いです。
ただし、坂の上駐車場は普通車しか駐車できませんので、バイクや大型車でお越しの方は第一、第二駐車場を利用しましょう。

中尊寺詳細情報

詳細情報

拝観時間
8:30-17:00(3月1日~11月3日)、 8:30-16:30(11月4日~2月末日)

休館日
年中無休

入館料
大人800円、高校生500円、中学生300円、小学生200円

住所
〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202

電話
0191-46-2211

公式ホームページ
http://www.chusonji.or.jp/

※情報は2021年11月時点のものです。最新情報は、ホームページをご参照ください。

まとめ

本記事では、世界遺産の1つ中尊寺をご紹介しました。

中尊寺はどうしても金色堂のイメージが強いですが、讃衡蔵では当時の文化について知ることができ、山道では幻想的な雰囲気を体感できます。

岩手観光をする際にはぜひ、中尊寺に足を運び奥州藤原氏の栄華に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。